「ひとりでしにたい」読みました
意を決して読みました
リリース時に初回だけ読みました。「カッコイイおばさんがお風呂で孤独死してスープになってしまった」という衝撃のスタートに引き込まれます。
あまりに他人事とは言えないテーマに胸焼けして、序盤だけ読んで放置だったので、単行本化されてる分をこの機会に完読しました。
だいじょうぶ。具はたっぷりで栄養あるのに、あえて(なのか?作風なのか?)淡々と薄味でまとめてくれてるので食べやすい。
続きはここでいまみてる。
孤独死、婚活、おひとりさま、女性の生き方、専業主婦とバリキャリ女性、親世代の終活、兄弟仲と相続、兄弟の配偶者との関係、老後資金、投資と詐欺、独身女性とペット、保険の選び方、元カレとその後、黒歴史、親世代の結婚と離婚、死後の片付け、シニア世代の生き方、歳の差カップル、毒親育ち、親ガチャ、奨学金、お墓、お寺との関係、などなどもろもろ、誰にとってもきっとどこかはスルーできない、きっと誰でもなにかはひっかかるであろう問題テーマが満載です。
みんなもよんでみて。
どこにみなさんがひっかかるか、ぜひ教えてほしい。
「ひとり」といいつつ「ひとり」ではない
ふつうに物語として読むだけでなく、この作品のどの部分に自分のココロがひっかかるか、どこが自分とは違うかをチェックしたり、登場人物の誰に共感しやすいか、誰のことが理解できないか、誰の言動に反発をしやすいか、それを追っていくだけでも、自分の立場や考え方がどのあたりに位置しているかがよくわかります。
「ひとりでしにたい」とタイトルで高らかに謳うけれど、主人公はちゃんと仕事してるし、物語の都合上とはいえ若いボーイフレンド(死語か!)がいて、人間関係もそれなりにちゃんとやってて、あれこれありつつも家族とも常識的に関係を保っていて、ぜんぜん「ひとり」ではないよね。
え? そういえば、独身のことを「ひとりもの」っていうんでした。
そうなのかー。どうやらこの世界では法律上の「家族関係」は、ほかとはまったく異なる別格扱いなのでした。
でも、結婚はしてても相手が先に死ぬかもしれないし、こどもがいてもそれぞれ独立して都合があったり、はたまた病気だったり引きこもっていたりしたら、物理的に頼れないようなケースだっていっぱいあるよね。
自分の死は自分で片付けられない
「人付き合いが苦手だから、山奥深くとか、無人島でひとりで暮らす」と真面目におっしゃる人はときどきいるけど、インフラもなく、食料もなければ生きていけない。考えるまでもなく、現実的にはそれって不可能ですよね。
家の墓には絶対に入りたくないから、骨は海に撒いてもらうという人は周りに結構いるし、わたしもときどきそれは考えるけど、そのためには誰かに骨を巻いてもらうための手続きを事前に手配しておかなきゃなりません。
このお話「ひとりでしにたい」の叔母さんだって、姉妹がいて、姪がいたからこうやって話がつながってるわけでしょう? まぁ確かに兄弟姉妹がいたところで、いがみあってたり、音信不通ならこうはならないでしょうけど。
なんにせよ、死んだ後は、誰かに片付けてもらわないと、自分では片付けられない。
インターネットの海に漂流する記録
ああ、そういえばわたしはこどもがいない独身の叔母の看病と看取りと死後の事務手続きなどをひととおりしたことがあります。
大昔に書いたものがたぶんどこかに… あった。あった。
もともとは2010年に書いてて、転載を重ねて残してあります。だいぶ古びてますが、そのまま残してある。インターネッツすげえ。
おお!こんなん残してあったのか!
自分でももう忘れた話がごっそり残してありました。
まさにデジタル残置物、とでもいいますか。
まぁ場所もお金もかからないうちは、このまま残しておいていいか。
占い世界でのあなたの探検が、よりよい旅路となりますように!