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「死に方はガンがいいな」

死ぬまでのあいだに準備ができるから

「僕は、死に方はガンがいいな」
「え?」
「だってガンなら、死ぬまでのあいだに準備ができるから」

なるほど。

その当時、その方は60代。社会的に大きな責任を伴う役職に就かれていて、とても几帳面で慎重で穏やかで、いつも用意周到な性格のその方らしい意見だと思いました。

「急な心臓発作だったらいきなりそのまま死んじゃうでしょう?僕は家系がみんなガンで亡くなってるから、たぶん僕もガンになるんじゃないかな」

なるほど。

確かにこの方がいきなり他界されたら、死ぬに死ねずに、後片付けに自分で出てきちゃいそうだと思わずにはいられませんでした。

タイプC「がん性格」とタイプA

そういえば、ガンになりやすいといわれる「タイプC」「がん性格」って有名な話があります。ご存知の方も多いでしょう。

本は手放してしまったのでいま手元にないんですが、ネット情報を切り貼りしてみます。

L.テモショック(L.Temoshok)は、がん患者に特徴的な行動パターンをCancerの頭文字をとって“タイプC”と名づけました。

タイプC は、一般的には“がん性格”と呼ばれている。テモショックによると、タイプC とは以下のような特徴があるといわれます。

タイプC 「がん性格」の特徴
1 怒りを表出せず,気づかないことが多い
2 その他のネガティブな感情 も経験したり表出しない
3 忍耐強く控え目で,協力的で譲歩を厭わず,権威に従順
4 他人の要求を充たすことに気を遣い過ぎ,自分の要求を十分充たそうとせず、 自己犠牲的になることが多い

なるほどー。どうでしょうね。もちろん反証や反論もたくさんあることでしょう。それでも私の思いつく範囲では、結構この仮説に当てはまる方が多いように思います。

ちなみに「タイプA」はタフで活動的、せっかちでアグレッシブな性格で、心臓血管系の発作を起こしやすい、とこれまた有名です。

それにしても、タイプAとか、Cとか、USBの規格名みたいですな。

三大疾病というけれど

保険の話などでよく出てくる「三大疾病」とは、「がん・心疾患・脳血管疾患」ですね。実際はどうなんでしょう?

日本人の主な死因データを調べてみました。
こちらは2022年(令和4年)の統計です。

厚生労働省
令和4年(2022)人口動態統計月報年計(概数)の概況

令和4年(2022)人口動態統計月報年計(概数)の概況

1位:悪性新生物(24.6%)
2位:心疾患(14.8%)
3位:老衰(11.4%)
4位:脳血管疾患(6.8%)

5位以下は、肺炎、誤嚥性肺炎、不慮の事故、腎不全、アルツハイマー病、血管性および詳細不明の認知症、その他、と続きます。

つまり、全体の4分の1近くの人は悪性新生物(がん)で亡くなるということですね。そうなのか。アフラック。

「老衰」の定義ってどこかにあるのかな。(誰か教えて)ちなみに「老衰」は、女性の死因としては第二位で、男性の死因としては第四位です。

退職後の食事は妻まかせ

冒頭の「ガンで死にたい」とおっしゃった男性は、現役時代から退職後にかけて、10年以上にわたってわたしの治療院にお越しくださっていました。

ほんとうに素敵な方だったのですが、大!幻滅要素はこちら。

おうちではあのお年頃の高齢男性あるある案件で「奥さんがいないとお昼ご飯も食べられないので、奥さんの帰りをひたすら待っている状態」だったそうです。(これは周りの人から教えてもらった情報)

うーん。そうです。わたしの大嫌いな「俺の飯はどうするんだ」系の「ただ食べるだけの男性」種族だったわけなんですね。うちの父と同世代なので(現在は80代中盤ですな)あるある案件だとおもいますが、がっかりでした。

そこらへん本当になんとかならないものだろうか。

死因より死後の片付け

両親が脳血管系のご病気で亡くなられた友人は、まだ若くしてやっぱり脳血管の病気になっていました。

私の場合は、母方はがんと認知症、父方は心臓血管と老衰が多いです。どれがくるかな。どれになってもおかしくないですね。

遺伝子検査などすれば、ある程度の傾向がわかるのかもしれませんが、変えられない避けられないことをわざわざあらかじめ知って、それでどうする?という気もします。

遺伝子治療のサイトを見ていたら「家族に相談してからすること」とか「ショックを受ける人がいる(意訳)」的な記載があったので、そのあたりは知りたくない人も多いでしょうし、非常にセンシティブな問題なのだと想像します。

私の場合は、何で死ぬかは二の次で「自分の死後を片付けてもらう算段を立てなくては」「入院するにもそのうち保証人がいなくなるのでそのあたりの手立てをつけなくては」とかそういうことのほうが重大な問題です。

自分の死に方よりも死んだあと。
そういうわけで、わたしにとってこれはほんとリアルなテーマです。

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