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新型コロナウイルス対応 飲食店のBCP(事業継続計画)を考える

日を追うごとに状況が深刻化し、収束の兆しが見えない新型コロナウイルス。でん票くんにも毎日のようにユーザー様から連絡が届いております。中には、出店先から2週間の休業要請と業態変更(ビュッフェ形式から、フルサービス型への変更)依頼があったり、九州の有名な観光地の店舗様は、来店客激減のためデリバリーを始める等、様々なお話をお聞きます。でん票くんは、オペレーション変更に柔軟に応えるシステムです。今お持ちの機器でご希望のオペレーションへの変更が叶うケースが多いですので、お気軽にご相談ください。テイクアウト・デリバリーに対応する軽減税率ももちろん標準対応です。

さて、前置きが長くなりましたが、急速に世界各地で広がりを見せる状況から、短期での収束については、かなり厳しい状況になっていると考えています。国内でも解決するまで最短でもあと1-2か月は要するだろうという前提で、新型コロナウイルス対応の飲食店様向けの事業継続計画について考えてみたいと思います。

奇しくも明日は3月11日。9年前の東日本大震災の直後、計画停電等で被災地の東北のみならず、関東など多くのエリアでも事業の再開に時間がかかったり、事業の再開を断念せざるを得ない事例が沢山あったこと、覚えていますでしょうか。当時、新しい言葉として「BCP(ビジネス コンテニュー プラン)」=事業継続計画の重要性が説かれ大企業に限らず中小企業でもその必要性が認知されました。BCPとは要約すれば自然災害などの危機的状況に直面した場合に、どのように事業を継続させるか。という意味です。

インバウンドをはじめリモートワークや休校などでお客様のご利用が減り、目の前の売上や支払いのことなど心配が増え、心身共に疲労困憊の経営者様も大勢いらっしゃるかと思います。でん票くんユーザーである全国の中小の飲食店のお客様と同じ目線で考えてみました。この記事に少しだけお時間をいただければと思います。

最初に決めること。「営業を継続する、休業する」

経営の危機に直結する大きな出来事に直面した時、まず最初のシンプルな問いが「お店を継続するか、休業するか」というものです。自然災害や火事など物理的に営業できないようなケースは休業せざるをえません。今回の飲食店のBCP考察については、事業の継続(飲食店の営業)が可能である場合を想定して進めてみたいと思います。

営業継続判断なら、従業員や自分の安全と健康を守る行動指針を「一緒に」作ろう

リスクのない経営なんてどこにもありません。しかし考えうるリスクをできる限り抑えることが非常時における経営者の重要な判断であり仕事になります。事業の継続を左右する危機的状況の中、考え抜いて、お店を継続することを決めたなら、そのお店を継続するために働いてくださる従業員(自分も含む)の方の安全、健康を必ず守る覚悟、言い換えると労働者の安全、健康を担保できる環境を用意する必要があります。今回の新型コロナの件で言えば、仕事中はもちろんですが通勤や休暇中も含めて新型コロナウイルスに感染しない生活の心がけを徹底する必要があります。

ダメ絶対!新型コロナウイルスを「もらわない」

お店の営業に欠かせない従業員の方々と「どのように営業・生活をしたら新型コロナウイルスに感染しないか」という行動指針一緒に考えて共有することが大切になります。お店からの一方的な指針ではなく、従業員の方と一緒に指針が作り出せれば強いものになります。人の出入りのある飲食店内はもちろん、自分も含め従業員の方々の日々の生活においても新型コロナウイルスに感染する可能性があります。このような仕事・職場とも直接かかわらない私生活にかかる内容ではありますが、お店の営業の継続にも、そして従業員の方にとっても働く場所の確保のためにも、お互いに利害関係が一致しますので、意識の擦り合わせを行っておくことをお勧めします。(実際に職場の飲食店以外で感染した後にお店の仕事に従事し、感染が分かった後でお店の営業を休止するケースが増えています。)このような非常事態になりつつある今、改めて従業員の皆さんとコミュニケーションをとり情報の共有や行動指針の徹底が必要になるでしょう。メールやLINEなどのツールを使ったコミュニケーションでも良いと思います。お互いにこの緊急事態に新型コロナウイルスに感染しないように気を付ける行動の指針、ルールを具体的に共有することが大切です。

お店を新型コロナウイルスから守るためのTo Do

その行動指針、店内での一例です。自分も含めて全員、始業時に検温して発熱していないかチェック記録します。普段はまったく必要のないことですが、非常事態としてお互い安心して仕事ができるようにという配慮です。家族の健康状態の確認も必要かもしれません。その他、感染予防として推奨されている手洗いやうがいの実施、マスクの着用、テーブル・シート・食器類のアルコール消毒もクリンネスの延長でできますよね。窓があるお店様なら、例えばですが30分に1回でもドアや窓を開けて換気しても良いのではないでしょうか。これからだんだんと温かくなりますし。なんだか冗談のようですが、本気です。これを1種のパフォーマンス的に「○○換気タイムです♪ご協力おねがいしますー」のように演出できるような飲食店さんは強いと思います。あと、最もインパクトがある宣言は(隣席との密度を考え)「満席にしない」を謳うこと!これ以外にもいろんな方法があるでしょう。

このような従業員の方々と共通のゴールである「まず働く自分たちが新型コロナウイルスに感染しない」という具体的な取り組みを決めてどんどん実行することが大切です。これらをチェックリストにして毎日記録していけば、そのままHACCAP運用につながります。

「本日風邪の症状ございませんか?」とお客様の健康状態を確認しよう

新型コロナウイルスに感染され自覚のある方が、スポーツクラブや飲食店に出かけたという報道なされています。信じられない行動ですが、お店として、このようなお客様が来店されないとも限りません。そのようなことを想定し、滞在時間が長めのお店様は「ご来店ありがとうございます。本日風邪の症状などございませんか?」と簡単にお声かけをするということを、収束するまでは、少し勇気もいるかもしれませんが聞いてみませんか。この緊急時、飲食店側も覚悟をもって営業しているわけですから、お互いに信頼してご利用いただくために、このようなお声がけを飲食店業界全体として外食大手の企業様に推進していってほしいですね。みんなで聞けば怖くない。という感じですね。

お客様から「少し熱があるんです」などの返答があった場合は、店内での利用をご遠慮いただくことも必要です。これが万が一の際に多くの関係者を守る判断だと思います。

具体的な取り組みを店頭やSNSで告知、周知しお客様にもご理解をいただきましょう

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上記のような取り組みを店頭でお客様に伝える簡単な張り紙ポスターをワードを作ってみました。手を加えて自由にご活用ください。それぞれのお店様ごとにもっとできること、個性ある取り組みなどのアイディアが出てくることと思います。そのような内容を、各種SNSへアップして既存のお客様や潜在顧客になる方々へお伝えしてください。今までご利用くださっているお客様にはより安心感をもってご利用してくださるのではないでしょうか。新しいお客様もご来店くださる可能性が高まります。

飲食業界全体でこのような取り組みが進むためには、やはり中小飲食店のみならず大手外食企業様含めた業界全体の旗振り啓発が必要ですね。特にお客様に体調をお伺いするような取り組みはぜひ早急に音頭をとって普及していただきたいものです。

東日本大震災直後、計画停電による営業時間の変更等や営業縮小をお知らせするポスターデザインを全国の優秀なグラフィックデザイナーさんらが著作権フリーで提供してくださりました。そのような形になると飲食業界全体でパワフルな動きになり、お客様にポジティブな形で伝えることができますね。

今日は、全国各地のでん票くんユーザー様からも聞こえる、お客様の来店減少に向けて、飲食店の事業継続計画として、最初の一歩として考えてみた内容を文章にしてみました。日々全国の個人経営、家族経営の中小の飲食店のオーナー様とお話する中で、同じ目線、事業継続のためにでん票くんなりに考えてみました。上から目線に感じたり、机上の空論と捉えられたらごめんなさい。

こりずに近々、第二弾として、飲食店の事業継続計画について、よる具体的な取り組みのアイディアについても考察を深めアップしたいと思います。

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