初心者からはじめるエフェクター~EQ編:EQってなに?~
こんにちは。ジャズバイオリン奏者の佐治拓人です。
最近ギタリストやベーシストに限らずバイオリニストやトランぺッター、サキソフォニストetc...様々な楽器の方がエフェクターを使う機会が増えてきています。
ここではそんな「エフェクターを使い始めてみたいけど種類も多いしカタカナだらけでわけがわからないよ」という主にエフェクター初心者の方へ向けた解説をさせていただこうと思います。
僕のウェブサイトの以下の記事に導入編としてエフェクターのおおまかな種類別の解説を載せていますのでよろしければ合わせてお読みください。
さて、今回はこれらの中でももっとも基本的でもっとも大事なEQ(イコライザー)の解説をします。このEQの概念はどの楽器(ボーカルも含む)でも非常に重要です。マイクの調整、またエフェクター全般を扱うときにも必要になってきます。
しかしこのEQ、大事な割に変化がぱっと分かりづらいという困りものです。それゆえエフェクターはじめたての人間を大いに悩ませます。そのため今回は視覚でもわかりやすいように動画も交えながら説明します。
EQ(イコライザー)って??
特定の周波数を上げたり下げたりして音質を補正するものです。EQを調整することによって音を鋭くしたりまろやかにしたりすることができます。
・・・といわれてもよくわかんないよ!ってなりますよね💦
僕自身も初めてエフェクターを触った時、一番EQの変化が理解しづらかったおぼえがあります。ディストーションとかなら使った瞬間音が大きく変わるのでわかりやすいのですが・・・。
というわけで、下の動画をご覧ください。
バイオリンのAの開放弦=442Hzの音をクリップマイクで拾いCubaseのスペクトラムアナライザーというどこの周波数が出ているかグラフでわかるスグレモノにつなぎました。
そもそも音とは振動で~・・・という細かい解説をするとややこしくなるので、詳しく知りたい方はググりましょう。ここでは特定の音の高さが○Hz(ヘルツ)という単位で表されるということだけ覚えておけば大丈夫です。ヘルツ数がおおよそ二倍になると音がオクターブ上がります。
図の見方は横軸が音の高さ(Hz)、縦軸が音量(dB)です。
~100Hzあたりを低域(bass)、100~1k(1000)Hzあたりを中域(middle)、1kHz以上を高域(treble)と言います。(メーカーなどによって数値には違いがあります。) ギターアンプのEQノブにはこの3項目がついていることが多いですね。
図を見ると500Hzの前あたりのにょっきが大きいですね。ここが実際鳴らした実音A=442Hzの音です。
ここで見ていただきたいのが、実音部分以外にもにょきっと飛び出ている所がいくつもあるというところです。これがいわゆる倍音です。図で見ると実音以外の周波数が多く含まれているのがわかります。
音が鋭く聞こえたり、まろやかに聞こえたりするのはこの倍音の部分が大きく関わってきます。つまり、音の抜け(通りやすさ、聴こえやすさ)を変化させたければEQで主に倍音成分を上げ下げすることになります。
続いて下の動画をご覧ください。
こちらは同じバイオリンのAの開放弦=442Hzの音をピエゾピックアップマイクで同じ音量で拾った図です。
同じ音量にも関わらず聴こえ方が違うのがお分かりいただけると思います。比較してみるとクリップマイクの音は丸く、ピエゾピックアップは尖ったように感じます。
下に比較用画像を載せておきます。上クリップマイク、下ピエゾ
周波数分布の形もけっこう違いますね!
このように同じ楽器で同じ音を出してもマイクの種類や特性などによって拾う周波数に違いが生じ、音の形が違って聞こえます。
最後にEQを極端にブースト、カットした動画です。特定の周波数のみを上げ下げすることによって、そのあたりの周波数が変化すると聴こえ方がどう変わるのかを確かめることができます。
例えば音がキンキンする場合はこうしてどこの周波数がキンキンする原因か探してある程度カットして整えたり、ふくよかさが欲しい場合は低域または中音域を少し持ち上げたりします。
以上が大まかなEQの説明となります。
DTMをやっていると低、中、高域のみならず中高音域、超高音域のようにより細かく扱う場合もあります。奥深しEQの世界・・・
実際にエフェクターのEQを使う際には、耳で聞きながらできれば一番ですが、慣れないうちはスペクトラムアナライザーを通して周波数分布を目と耳で確認しながら調整するほうがいいかもしれません。基本的にはカットに使います。
そのうち、需要があれば特にバイオリンでのより具体的なEQの調整方法の記事も書こうと思います。
今回は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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