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日本はどうなる? "台湾有事"

「台湾は野望の1つであり
今後6年以内に脅威が顕在化する」

2021年上院軍事委員会
デービッドソン前インド太平洋軍司令官の発言


2027年までに台湾有事、つまり中国による台湾への軍事侵攻が起こる可能性があります
何故中国が台湾へ侵攻するのか、そしてもし戦争が起きたら日本はどうなるのか
出来るだけ簡単に解説します

まず中国が台湾に執着する理由ですが、歴史を紐解けば何となく分かります
過去にタイムスリップします







歴史から見る中国と台湾


ウワー








ドドドドドドドドドドドドド

はい着きました

1937年、ここは中国です
今僕達は日中戦争の最中にいます
鉛玉と砲弾が飛び交い、硝煙と肉が焦げた匂いで気が狂いそうですね

クソ無能牟田口蓮也が起こした盧溝橋事件によって本格的な戦闘が始まり、馬鹿みたいに長ぇ日中戦争が起こります

この時中国には蒋介石率いる中国国民党
毛沢東率いる中国共産党という2つの勢力がありました

中国国民党党首 蒋介石
中国共産党党首 毛沢東


この2つの勢力は中国の利権を巡って争っていた(第一次国共内戦)のですが
大日本帝国という天皇がいるくせに民主主義を掲げる頭おかしいファシズム国家が攻めてきたので一旦争いをやめ、協力して日本に対抗していました
さらに時間を飛ばします


ウワー











耐え難きを耐え、忍び難きを忍び...

昭和天皇による玉音放送

ここは1945年、日本がポツダム宣言を受諾し敗戦した年です
皆この世の終わりみたいな顔してますね
ですが本題はここからです

日本が敗戦したことにより中国から日本軍が撤退すると、共通の敵を失った国民党と共産党は再び内戦へと突入します
第二次国共内戦の始まりです

この戦いは1949年まで続き、中国共産党が勝利します
負けた中国国民党は台湾に逃げ込み、そこで新たな国を興しました
それが中華民国、つまり"台湾"です。

ここで1つ疑問が生まれます

「中華民国って何?」

中華民国とは台湾という地域を実効支配している国です
こんな回りくどい言い方をしなければいけない理由があります
それは"台湾は国として認められていない"という事です
中国は台湾を含めた領土を"中国"とし、中華人民共和国政府が唯一の合法政府だと主張しています
これを「1つの中国」と言います

つまり台湾を「中華民国」と呼んでしまうと、台湾を国として認めてるという事になるので
「台湾」という地域名で呼び、何となーく曖昧にして中国にも配慮してるわけです

余談ですがアメリカは中国の「1つの中国」に対して曖昧な返答をしています
1978年の米中共同声明にて「中国はただ1つで、台湾は中国の一部である」といった中国の立場について「アメリカは認識(acknowledge)する」程度に止めています
つまり「台湾が中国の一部だっていう主張を聞きました。聞いただけですよ?」という立場です
これを"戦略的あいまいさ"といいます。覚えなくてもいいです

台湾は自国こそが中国だと主張しているため、中国にとって邪魔な存在であり
台湾を併合し中華統一する事が国の方針として最優先の課題になってるわけです
中国の中華統一という方針についてはキングダムを読んでください

ここまでで台湾建国までの歴史と中国が台湾を狙う理由が何となく分かったかと思いますが
次は歴史的な目線ではなく地政学の目線から見てみましょう





地政学で見る台湾



そもそも地政学とは何だって話ですが
第二次世界大戦でナチス・ドイツが侵略行為に利用した事で"悪魔の学問"と呼ばれ一時は禁止された学問です。禁止された学問ってロマンありますね
地球を1つの大きな戦場と捉えて地理的な条件を元に国際政治や軍事を考察するヤバいやつです

地政学の前提知識として「海を制する者は世界を制する」といったものがあります
ワンピース見つけたら海賊王みたいな認識でいいです

はい。
で、現在世界の海を制しているのはアメリカです
アメリカは世界各地に軍事基地を持ち世界中の海にウジャウジャ艦隊がいます
中国は海賊王になりたいと考えてるので、どうにかしてグランドラインを超えて新世界に行きたいわけです。分かりにくいですね

要は太平洋で自分達の影響を高めてアメリカを倒したいってことです。分かりやすいですね

これは東アジアの地図です
右側が太平洋です。中国はここに出ていきたいと考えてますが何か目の前にすげー邪魔な国がありますよね
日本です
この国さえ無ければ簡単に太平洋に出ていけるのに日本がいるから行けないんです
じゃあ日本を支配下に置く...にも流石にしんどい

日本は経済大国であり軍事的にも強く、アメリカという化け物がバックについてます
簡単に倒せる相手ではありません

じゃあどこを狙うか、簡単です
台湾を狙えばいいんです
台湾を自国の領土にし、そこの港を軍事拠点とすれば太平洋に進出する足掛かりになります

この地図を見てもらえれば分かりやすいかもしれません
中国から見た太平洋方面の地図です
こう見ると中国が自由に動ける海は少なく、太平洋に進出しようにも南西諸島や台湾の間を縫って行く事になります
もちろん日本や台湾も中国の船の動向を監視しているので場合によっては海上封鎖される可能性もあります

中国は歴史的にも思想的にも征服理由がある台湾を狙う事で太平洋進出の切っ掛けを作ろうとしてるんです

ぶっちゃけこれは知ってても知らなくてもいいので次行きます





習近平について



習近平っていますよね
中国のトップの人です

プーさんに似てるという話題にブチ切れてインターネットでプーさんが検索出来なくなったり

これを作ったのは台湾の会社


立ち退きを断り続けて強制的に取り壊しされそうになった家の住民が家中に習近平の顔写真を貼って抗議したり

取り壊しは免れたそうです


どうぶつの森で習近平の葬式ごっことか抗議活動をしてたら発売禁止にされたり

顔の上に乗ってるのはウンコの化石


何かと話題が尽きない人なんですが
この人かなりヤベー奴です

彼は毛沢東に強い憧れを抱いています
毛沢東というのは中国建国の父と呼ばれ、崇められている人物...なんですが毛沢東もマジでヤバい人でして
最悪の独裁者の1人に数えられる人物です
個人的には美大落ちチョビヒゲよりエグい事やってると思います

文化大革命っていう激ヤバなエピソードもあるんですが流石に激ヤバすぎるので
話の本筋とはズレますが毛沢東が起こした大飢饉を簡単に紹介します


毛沢東は共産主義という頭がハッピーセットみたいな思想を持っていました
国民に農業だけをやらせて皆が平等で楽しく平和に暮らせる馬鹿みたいなパラダイスみたいな世界を作ろうと奮闘しています
しかし効率の悪い農業をしていたため農作物の収穫は減少していきました
毛沢東はこれを農作物を食い荒らすスズメのせいだと考え、スズメの殺処分を命じました
中国からスズメが居なくなると農作物に付く害虫を食べてくれる鳥がいなくなったので収穫は更に減少しました
さすがに毛沢東もヤベェと思ったのかロシアからスズメを輸入しました。おしまい。

飢饉を引き起こした大躍進政策
農作物以外に鉄鋼製品も作っていた(もちろん失敗)



と、いったように中々にエグい事をやってる毛沢東をリスペクトしてる習近平ですが
彼にもある思想があると言われています
それは毛沢東のように歴史に名を残す偉業を成し遂げることです
毛沢東は中国建国という大偉業を成し遂げました

じゃあ習近平は?
台湾を併合して中華統一を成し遂げた
この実績が欲しい


そして習近平の任期は現在2027年までとなっています
最初の方に戻りましょう


「台湾は野望の1つであり
今後6年以内に脅威が顕在化する」

2021年上院軍事委員会
デービッドソン前インド太平洋軍司令官の発言


2021年時点で6年以内に脅威が顕在化と発言
つまり2027年までに起こる
分かりましたか?

習近平は自身の任期が終わるまでに台湾侵攻がしたい、しなければならないと考えている

これが台湾有事が起こる可能性が高いとされる理由の一つです


「祖国の完全な統一を実現することは歴史の必然であり、いかなる勢力も阻止することはできない」

2023年国慶節を祝う行事にて
習近平国家主席の発言










台湾有事が起きたら


仮に台湾有事が起きたと考えて、アメリカや日本の対応を簡単に解説します
これは"かもしれない話"なので必ずこうなるとは限りません
ですがある程度は現実的に考えてみたいと思います
お台場のガンダムが動くとか、NINJAが出てくるとか、日本列島がトランスフォームするとか
そんな話はしません

まずアメリカの対応ですが、アメリカは台湾を守るとハッキリ明言しています

記者「米軍は台湾を防衛するか」

バイデン氏「もし実際に前例のない攻撃が行われれば、する」


記者「米軍を派遣しないと表明しているウクライナ情勢とは異なり、中国が侵攻した際に"米軍"が台湾を防衛するという意味か」

バイデン氏「そうだ」

2022年バイデン大統領へのインタビューより抜粋


あいまい戦略から一転し台湾防衛についてハッキリ"Yes"と答えたアメリカですが
この"Yes"の中には日本も含まれています

アメリカは日本の協力が必要だと考えており、対する日本も台湾防衛には積極的な姿勢を見せています

「台湾で大きな問題が起きると存立危機事態に関係してくると言って全くおかしくない。
そうなると、日米で一緒に台湾の防衛をしなければならない」

2021年麻生太郎氏の発言

「台湾有事は日本、日米同盟の有事だ。
この点の認識を習近平国家主席は断じて見誤るべきではない」

2021年台湾のシンクタンク主催の公開フォーラムにて
安倍晋三元首相の発言

「今ほど日本、台湾、アメリカをはじめとした有志の国々に非常に強い抑止力を機能させる覚悟が求められている時代はないのではないか。
戦う覚悟だ。
防衛力を持っているだけでなく、いざとなったら使う、台湾の防衛のために使う、台湾海峡の安定のためにそれを使う明確な意思を相手に伝える。
それが抑止力になる」

2023年台湾主催の国際フォーラムにて
麻生太郎氏の発言


次はアメリカのシンクタンクCSISが発表した台湾有事のシミュレーションを見てみます
CSISは24通りをシミュレーションし
そのうちの22例は侵攻失敗、残り2例は中国勝利という結果を発表しました
何でこんなの発表するんだって話ですがアメリカは民主主義なので知る権利ってやつです

24例全てのシミュレーションに共通するのは
最初の数時間で台湾海軍・空軍の大半が崩壊
台湾は包囲され数万の中国兵士が上陸する
この2つです

そして中国勝利が2例ありますが
この2例の勝利は以下の条件でシミュレーションされたものです
アメリカが参戦しない
日本が中立を守り、在日米軍基地の作戦行動を許可しない

こうしたことから報告書では台湾防衛の要は日本だと指摘されています

これ自衛隊どうすんの?的な話になってきますが
CSISは日本がアメリカ軍基地の作戦行動を許可した場合、中国はそれを阻止するためにアメリカ軍基地にミサイルを打つと想定しています
その場合日本国内の施設にも被害が及ぶため、日本も参戦する可能性が高いとされています

台湾が占領されてしまったら中国の太平洋進出を許してしまう形になるため、アメリカにとっても日本にとっても非常に不味い状況になります
なのでアメリカも日本も台湾防衛に積極的な態度を取ってるのが現状です






終わりに


台湾有事というのは日本有事でもあり東アジア有事でもあり、世界の有事でもあります
アメリカと日本、そして中国というGDP上位3ヶ国が争うとなれば経済にも強く影響が出る事でしょう

恐怖心を煽るような事ばかり書きましたが
必ず起こるというわけではありません
起こる可能性が高い、それも数年以内に。
という事です


終わります。

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