見出し画像

映画【ストーリー・オブ・マイライフ 私の若草物語】

原題 Little Women
製作年 2019年
製作国 アメリカ
配給 ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
上映時間 135分

【概要】
ルイザ・メイ・オルコットの自伝的小説「若草物語」を実写化したドラマ。南北戦争下の姉妹の物語を、作家を夢見る次女の視点で描く。しっかり者の長女メグ(エマ・ワトソン)、アクティブな次女ジョー(シアーシャ・ローナン)、身体が弱いが誰よりも優しい三女ベス(エリザ・スカンレン)、人懐っこくて頑固な四女エイミー(フローレンス・ピュー)、愛情に満ちた母親(ローラ・ダーン)らマーチ一家の中で、ジョーは女性というだけで仕事や人生を自由に選べないことに疑問を抱き、自分が信じる道を突き進むのだったが……。

【評価】
★5 (5段階評価)

【感想・レビュー】
ー女性向けの映画?そんな括りはいらない。前を向きたい全ての人への映画だ!ー

ルイザ・メイ・オルコットの自伝的小説「若草物語」を実写化し、南北戦争下の4姉妹を中心としたお話。(若草物語をあまり知りもせず見ました。)

基本的な話の流れとしては次女のジョーを中心に4姉妹と母親で暮らした青春時代とそれぞれが道を選び生きる今が交差して物語が進んでいく。
この映画の良いところはまずその過去、現在のコントラストの差ではないだろうか。
過去と現在と言っても間が10年や20年経っている訳ではない時間軸を行き来するため、パッと見「今はどっちだ?」状態がたまにある。しかし色調なのか衣装なのかはたまた演技なのか、やはり現在と過去では状況が変わってしまったことが映像に映し出されているのだ。そしてその使い分けがまた絶妙。
極力ネタバレを避けて話をしたいため、ふんわりとした表現になってしまうが、「過去があったから現在がある」が前向きに使われているところと、「過去のせいで現在がある」のように後悔に使われているところが絶妙な配分なのだ。黄金比と言ってもいいぐらい。まずはその対比を楽しんで頂きたい。

そして何よりこの映画の良い所は女性陣の輝き。そこに尽きるかもしれない。特に4姉妹の関係性はお見事!誰一人として欠かせない。

しっかり者で堅実に生きるべきだと考えながらもどこか抜けている。慎ましく生活しながらも実は華やかさに憧れを持つ長女。
作家に憧れ、持ち前の行動力や明るさで皆に愛されるが、感情的になりやすく人との衝突もしばしば。それでも自分らしい生き方を生きようとする次女。
体が弱く、引っ込み思案ではあるけれど、誰よりも優しく、ピアノを愛し、皆を繋ぐ大事な存在の三女。天使。
人懐っこいが頑固。お調子者だけれどしっかり者。夢見がちだけれど地に足をつける。疎まれながらも愛される、そんな四女。

この4姉妹の絶妙な関係性が見ていてとにかく魅力的。そしてテンポが凄く良い。軽快なテンポの会話が流れるように次々と飛び出すのは見ていてとても心地よかった。
さらにこの作品は第92回アカデミー賞で衣装デザイン賞を受賞したらしいのだが、まぁ衣装も可愛い。もちろん可愛いだけでなく心情や状況にマッチした衣装がとても印象的。

とにかくべた褒め状態になってしまったのだが、この映画は今の時代よりもっともっと男女の格差が大きく、女性が活躍するのが難しい時代に女性の自立、女性の心の強さ、弱さ、葛藤を主に描いていると思う。
そう捉えて見てしまえば女性向けの映画という括りになりかねないのだが、次女のジョーは女性だから…では無く「自分」の「心」に正直でいたいという強く思いを描いている。ならば「女性向け」は個人的には使いたくない。

全員が悩み、考え、自分らしい道を進もうとする。それは青春時代だろうが、現在だろうが、実は変わらなくて、ただ環境と状況だけが変わっていくことに、戸惑ったりする_。なんていう今の人にもきっとわかるような悩みを彼女達は画面を通して考えさせてくれる。更に彼女達はもがいてもがいて前を向いて一歩先へ進もうとさえする。そこに性別も年齢もなんだったら国籍も人種も特に関係無い。

この映画は「女性向け」ではなく、「前を向きたい人向け」の映画ではないかと思った。

素敵な映画です。是非劇場で!

【筆者の一言】

コロナ自粛で新作映画が軒並み止まっている中、久々に新作として映画館に入ってきた映画でした。それだけでも嬉しくて映画が帰ってきたな〜と思いました。凄く面白い映画だったけど★4.5あたりかな〜と思いましたが、感謝の気持ちをのめて★5です!ありがとう。

【HP】
https://www.storyofmylife.jp/sp/

【予告】
https://youtu.be/SVm-_c0a38U

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?