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映画【島にて】

【島にて】
製作年  2019年
製作国  日本
配給   東風
上映時間 99分

【概要】
酒田港からフェリーで75分の距離に位置する山形県内唯一の有人離島、飛島。少子高齢化が進み、現在の人口は約140人ほど。ただ一人の中学生、Uターンして起業し雇用を生みだそうと奮闘する若者、往時を懐かしむ漁師―。社会問題としてではなく島に生きる一人ひとりの暮らしに焦点を当て、平成最後の一年間を丁寧に追うドキュメンタリー。

【評価】
★★★★(5段階評価)

【感想・レビュー】
−押し付けがましくない、だから考える−

小さな島に暮らす人々を通して見た側の我々が非常に色んなことを考える事のできるドキュメンタリー。

過疎化、少子高齢化、日本が抱える問題の最先端を行くような飛島。なんてったって小中学校合わせて生徒が1人。人口だって実際に住んでいる人は140人程度。老人多め。病院もなければ常駐の医者もいない。コトー先生すらいない島なのだ。

ただ、そんな島に暮らしている人が皆が悲観的で諦めに満ちているかと言われるとそんな風にはどうしても思えなかった。なんだか顔がいいのだ。良い顔をしてるとでもいうのだろうか。
昔の賑わっていた事を思い出しながらも今の現状を受け入れたり、受け入れられなかったり。その人その人の今についての考え方はあっても皆が人間味のある顔をしていたのが印象的なのだ。

そう、この映画は島に住む人々をいかに愛おしく見れるかどうかできっと映画の印象が変わると思う。

この映画は基本的に全く「押しつけがましく」ない。いわゆる日本が内包する問題の凝縮した島なのかもしれないが、映し出されているのは「人」であり生活であり文化なのだ。決して「問題」を映し出すために「人」を撮っていないのが本当に素敵なのだ。

当たり前じゃない状況の中で当たり前に暮らし当たり前に生きる彼等が映し出されているのだ。

したがって余計なナレーションもテロップも無い。でもだからこそ見ている人が彼等の事を良く考える「隙間」ができるのではないだろうか。そんな島に住む彼等と見ている私達の「隙間」を楽しめたのならばきっとこの映画が好きになる。そしてきっと飛島もそこに住む人々も好きになれる。本当に愛おしく素敵な人しか映し出されていないように感じた。

そんな素敵な映画だと思いました。

最後に一つだけ文句をつけるのならば、出演されている方にご年配の方が多いので訛りが少々きつい。笑(段々聞き取れるようになるから不思議ではあるが…)東北出身の私でも少々戸惑った。もう少しフォローのテロップがあってもいいような…。いや、無くていいのか!初めはフィーリングで見て欲しい。笑

見る人にとっては退屈なところもあるかもしれないが是非愛おしいこの島と島に住む人々を見て欲しい。

【島にて】HP
https://shimanite.com/

【予告】

https://youtu.be/x1r-BxtawS4

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