空區地車の力学その79.2024年度の巡行コース
2024年度の例大祭は、住吉地車にとって大きな節目の年になる。
まず一つ目は、反高林區の地車が平成29年度より使われている子供地車と呼ばれる小型から、本年5月の例大祭では大型の地車にリニューアルする。初代地車は本体に比べて、曳き手が入って曳く「棒鼻(ぼうばな)」が異常に大きいが、2代目地車は本体と棒鼻のバランスが良い。
初代地車は小型故に、2〜3人の大人が本気で力を入れると地車の方向転換は行なえただろうが、リニューアルされた大型の地車ではそういう訳にはいかなくなる。
勾欄(こうらん)も付き、大きくなった幕も映える。そして何よりも屋根に相当数の屋根方が登られるので、宮入は華やかになる。
先日雨の中、お披露目されたが相当手こずったと聞いている。さもありなん。ただでさえ息を合わさなければならない上、雨で滑りやすい最悪のコンディション下での試験曳きなので(ある意味ラッキーな経験ができたとも言えるが)致し方ない。あとは曳き手も四隅責任者も経験を積むのみ。あと屋根方も必要になるだろう。反高林區の皆さん、これからが楽しいのですよ。
二つ目は、これまで本住吉神社内の地車小屋で7区區の地車は保管していたが、来年からは各區の会館横に新たな地車小屋を建設し、そこで保管することになる。
しかし、各區に地車小屋ができるので、宮出や宮入り、地車へのお祓い、巡行コースなどがゴロリと変わる。
ちなみに空區の地車小屋は、空地區会館南の駐車場に建つ。建設は本年6月から始まり来年2月に完成する。
来年は空區新地車小屋からスタートするが、巡行コースについてはこれから各區と調整して決まる。
三つ目は、本住吉神社西側に「東灘だんじりミュージアム」が今年オープンする。現在は外観のみ完成し、内装や展示は今年の祭り後になる。ちなみに展示される地車の写真撮影は5月3日に行なわれる。1階は3代の地車を展示できるスペースがあるらしく、輪番で各區の地車の常設展示をする予定だとか。祭りバカのシーズンオフの拠り所がまた一つ生まれる。
他にも各區での進化はあるが、それは例年のことで、上記3つの項目に比べれば小さな出来事だ。来年には正に一新される。という訳で、今年の空區の巡行コースがこれだ。
5月4日は宵宮で各區の地車は自分の區内を練り歩く。唯一、18時半にJR神戸線・住吉駅北側ロータリーで数台の地車が揃い、練り合わせが行なわれる。提灯に灯がともり、飛ばせ戻せが行われる。
5月5日は本宮で住吉地区全てを8台の地車が隊列を組んで進む。夜には8台が順に宮入りする。
例大祭のハイライトである。
さて、来年からどのような宮入りになるのかは、本年の祭り後のココロなのだ〜。