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成長する分析組織についての素案

こんにちは、カウシェでデータ分析を担当している goro です。カウシェのアドベントカレンダー22日目として、急速な成長を遂げる会社において、分析組織の進化について考えていることを書いてみようと思います。変わりゆく事業・組織フェーズに適応する分析組織の進化について観点を共有できたら嬉しいです。

事業成長のもとで分析が向き合う課題

100万ダウンロード突破、100名を超える組織

2020年4月の創業以来、カウシェはサービスと組織規模を急速に拡大させてきました。2022年9月、カウシェアプリは累計100万ダウンロードを突破しました。従業員数は複業、インターンメンバーを合わせて100名(正社員数は30名)を超える組織になっています。

効率改善に向けた分析の重要性

前述の通り、カウシェはサービス規模の大幅な拡大を実現しました。一方で、ユーザー獲得およびリテンション効率の改善も事業運営において重要な観点です。このような効率改善を考える上で、解像度高く現状を認識できるデータ利用の重要性は高く、この要求は今後さらに加速するものと予想しています。

また会社としての業務領域が広がったことに対応し、チーム分割が進みました。それゆえ、各チームの目指すものや課題など、内部事情が多様化してきました。

集約的なデータ分析チームの限界

このような変化の中で、今年夏頃からデータ分析を担当するメンバーにご参画頂き、分析リソースの拡大という観点では一定の進化を行なってきたと思います。

しかし、分析チーム立ち上げ当初から取っていた中央集権的な分析組織として運営を続けることが難しくなってきました。この体制では、各チームと日常的に会議体を共有しないことなどから、ドメイン知識の把握と分析スキルの統合を果たすためのコミュニケーション量は増大する(臨時でのヒアリング等を行う)ことが多いためです。

その結果、各チームのPDCAへデータインサイトを織り込むために多大な時間を要する状況が増えており、改善への足枷となっていくことが想定されました。

ドメインと分析スキルの距離が広がる

一方で各チームに分析担当者を置くための採用・育成コスト、データガバナンスが乱れるリスク、ナレッジが共有されにくい(分析の連度が上がりにくい)等の懸念は存在し、組織構造の改革と対策は並行して検討する必要があります。

カウシェ分析組織が向かう方向

データを機動的に用いる組織をつくることが分析の役割

前提として、データを機動的に用いる組織をつくること、が分析の役割と自分は考えています。分析が作用する対象は以下を想定しています。

  • 定量的な現状認識、未来予測からより良い施策検討を行うこと(施策のinput)

  • データを利用した施策実行を行うこと(施策のprocess)

  • 施策の結果を振り返り、改善点の発見や「モメンタム」を作ること(施策のoutput)

優先度が高い案件は即座に着手でき、定量的な現状認識が意思決定の材料として(必要な範囲で)常に用いられている状態を生み出し続けることが、分析の役割が果たせている状態だと考えています。

分析実行の安定的かつ高速な実行が必要

上述の役割を果たすためには、データ分析のリソースは各意思決定・実行チームごとに定常的に確保されることが必要です。そうすることで、データ分析の担当者にチーム目標、リソース状況、データ仕様等が共有され、常に分析要件整理から着手できる状態が作られます(小規模組織では、これが中央集権チームでも可能だった)

加えて、分析要件に応じて調整された分析基盤が必要です。分析要件が基盤構築に考慮され、当該チーム内で汎用的な形を維持している状態を目指します。組織フェーズが進めば、各チームがデータ分析基盤(Data Warehouse等)を所有し、設計と改善が自律的に行われるようになるはずです(ここの解像度低め)

分散型による不都合へのサポートも忘れずに備えたいです。前提となるツール選定やプライバシー保護、ドメイン横断等のポリシー、定義管理などの分散形式では管理しきれない部分を補助する機能が必要です。また局所的に専門性の高い案件への補助(手法提案、プラクティス提示など)や、未成熟な段階でデータ活用を促進する活動(学習、定着など)も重要な要素になりそうです。

分析と分析基盤は集約から分散へ

まとめると以下のような図になると思います。まずは分析も分析基盤も独立組織が集約し、一気に立ち上げる。その後は組織フェーズに応じて、分析ついで分析基盤の分散化を目指します。それぞれの形式にメリット・デメリットがあり、各組織の特性、段階を踏まえた形式の選択が必要だと考えられます(例えば、Google等の大規模チーム向け分析組織のプラクティスを今のカウシェがそのまま適用できないはずです)

分析と分析基盤の分散化と強み弱み

事業フェーズと対応する分析体制

組織フェーズに応じて分散化させていく

組織フェーズとデータ分析体制のパターン、注力アクションを整理してみます。フェーズA(正社員30名以下組織)は基盤と分析を一気に立ち上げ、重点課題へ注力する時期です。フェーズB(30~300名組織)においては、各ドメイン領域で分析リソースを確保し、PDCAサイクルにインサイトを織り込んでいきます。フェーズC(300名以上組織)においては、分析だけでなく、データウェアハウス構築段階からドメイン分割することで組織グロースと機動的な分析実行を両立させます。

組織規模に従い分析体制を変化させる

カウシェはフェーズB=分析の分散化に向かおうとしている

カウシェは今、分析の分散化を行い、意思決定・実行チームに分析担当者が張り付く形へ移行しようとしています。この形をとることで、ドメイン知識と分析スキルの距離が近づき、より高速なPDCAサイクルを実現できると期待しています。

人員・統制・基盤改善が必要

補助的なアクションとしては、テーブル・カラム定義書やメタデータ情報の整備、またSQLやLookerの利用方法を浸透させていきます。これまで分析活用をあまり行なってこなかったチームで分析インサイトを日常的に活用するための仕組み、習慣づくりも行なっていきたいと考えています。

そしてデータ分析基盤は直ぐに各チームへ分散するわけではないものの、整備が必要な状態です。様々な要件に対応し、継続的に拡張を続け、各チームが利用できる状態を目指すため、データモデル、ワークフローを整えている真っ最中です。

何より重要なのが、採用です。社内育成としてアナリストを確保するのことは難しく、各ドメインに深く入り、現状把握から要件定義、実行までを完走できる方を探しています。

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