時計ヲタクワイ、何故陰キャはダサい腕時計を腕に巻くのか考える模様
メリークリスマス!
買えもしないのに「なんだかんだロレックスはコスパ良いよ~」とかイキってるクソ陰キャ、かみむらです。
ある日、職場の先輩――仮名として伊桐さんとしておきますか。
伊桐先輩が世間話(という名のマウンティング)を仕掛けてきました。
伊桐先輩「かみむら君……社会人たるもの、良い時計はした方がいいと思うよォ^~」
かみむら「あっそうっすね、すみません安物巻いてて(お前内勤だしお客さんに合わないから時計いらねーだろ)」
伊桐先輩「まぁ高かったんだけどねェ^~コレ。いくらするか分かる?」(黒光りするダッセェ時計をチラつかせながら
かみむら「(うわ。ウッザ)」
かすむら「(えっとこれ確かセールで……)10万くらいですか? いいですね」
伊桐先輩「……(露骨に不機嫌そう)」
イキリ先輩「かみむらくん、見る目無いねェ。これ20万くらいだよォ^~。まぁ安くなってたからコスパ重視で買ったんだけどサァ!」
カスむら「あっそうなんすね。すみません(じゃあ最初から10万って言えよ)」
イキリ陰キャ先輩「まぁ? 全然安物だけど? 高い時計って100万とかするじゃん? それと比べりゃ安い安いw」
イキリ陰キャカスむら「うるせぇ死ね(そうですねーけどいい時計ですよそれも)」
……とまぁ陰キャが陰キャにイキられて、陰キャ特有の脳内レスバを繰り広げる地獄がそこにはあったのです。
そのイキリ……もとい伊桐先輩はあまり身だしなみに対するリテラシーが高い方ではないのですが、にしたって10万使うならもうちょっとマシな時計あったんじゃね? というのが率直な感想です。
というか我々陰キャは、時計に限らず身に着けるアイテムのセンスが絶妙にダサい方が多いです。(ブーメラン)
みんな狙ったようにダサくなるのってなんでですかね?(ブーメラン)
今回は、高級時計エアプのクソオタク兼イキリチー牛のかみむらが、陰キャが選ぶ時計の特徴となぜその時計はダサいのかについて考えてみました。
クリスマスプレゼント……には間に合いませんが、お年玉や冬のボーナスで時計を買おうと考えている善良な陰キャの皆様の参考になれば幸いです。
1. 陰キャの時計はダサいのか?
「陰キャの時計がダサいんじゃなくて、陰キャがそもそも全身ダサいだけじゃね?」
「どうせイケメンならどんな時計つけててもかっこいいんだろ」
顔面偏差値という高く厚い壁
一理ある。
しかし、これは仮説と結論が逆なのではとかみむらは考えます。
つまり、陰キャのセンスが悪いからダサい時計を選びがちになってしまい、合わせづらい時計でも着こなしで対応できるからイケメンなのです。
では、実際陰キャがどんな時計を付けているのかというのを僕の偏見100%で紹介していきます。
別にこの時計を付けていたら問答無用でダサいわけではないですが、正直カバーするのは難しい上級者向けの時計が多いです。
1-1 過度な機能性信仰、電波ソーラー時計
いきなり色んな人に喧嘩を売りました。殺害予告は勘弁してください。
電波ソーラー便利ですよね。電池交換不要だし、時間合わせも不要です。
ですが……太陽光発電を採用しているアナログ時計は文字盤の高級感が損なわれやすいです。
多くのソーラー時計は、太陽光を文字盤の奥に設置した太陽光発電装置に当てることで発電します。
ソーラー時計の図。出典:セイコー
なので時計の顔たる文字盤に使える素材やデザインに制約があるんですね。日光を透過しない素材は使えません。
結果として、他の時計と比較して時計のデザインはこだわれない。
誤解を恐れず言うならば、同価格帯の時計と比較して安っぽいデザインになりやすいという問題を抱えています。
各時計メーカーもその弱点は把握しているようで、高価格帯のソーラー時計になると文字盤が非常に秀逸なデザインのものが多数あります。
ですが安価なもの……特に家電量販店で吊るしで売られているような時計になると、どうにも安っぽい(実際安いからしょうがないけど)ものが多いです。
アナログがダメならデジタル? まぁ良いんですけど、そもそもデジタル時計は子供っぽくなりやすいので難しいところです。
……というか、本当に電波ソーラーって必要ですかね?
電波ソーラーって巷でもてはやされているほど使いやすい時計ではないんじゃないか、と僕は思います。
まず太陽光発電ですが、実は袖に隠れるだけでも充電できなくなります。
特に肌寒い時期になると長袖を着るので、各社メーカーは月に1回は時計を日向ぼっこさせてくださいねって取説に書いてます。
加えて、多くのソーラー式時計に使用されるリチウムイオン電池は100%と0%状態が長く続くと劣化しやすいそうです。
長く電池を持たせたければ日光浴はほどほどに、ですが少なすぎてもいけません。
また過度な高温・低温も充電池の天敵ですので、あんまり日差しがキツイ時に日光浴させるのは酷です。
ソーラー時計を干す時は、正午前後を避けた方が良いでしょう。
そこまで気を使う必要ある? と思われるかもしれませんが、あんまり雑に扱うと普通の電池式時計と大差ない電池交換スパンになってしまいます。
充電池の交換って、乾電池の交換よりもお高いですしね。
また毎日時刻を合わせてくれる電波機能についてですが、これについても僕はイマイチ扱いが難しいと考えています。
電波時計であるからには電波を受信する必要があるので、時刻合わせを行う深夜帯は電波状況の良いところに安置しておかねばなりません。
しかも携帯電話ほど強力な電波ではないようで、たまに電波がちょっと悪くなるくらいの部屋だと普通に狂います。
そして電波で時刻合わせを想定しているが故の設計であるためですが、多くの電波時計は手動での時刻合わせ(ユーザーの手で時間を調節)ができません。
手動での時刻取得はできるのですが、それをやるには電波の良い場所でしばらくそっと置いておいてやる必要があるんですね。
また毎日自動で時刻合わせする事を想定しているが故に、非電波式のクォーツ時計と比較して素の精度はイマイチなものが多いです。
……意外と電波ソーラーって、イメージに反して手が掛かるものなんですよ。
そういうエリートぶっている子が意外とポンコツなところも好きですけど。(限界オタク特有の歪んだ価値観)
僕が学生時代に警備のバイトをしていた時は、電池式のデジタルG-SHOCK(DW-5600)を業務中に身に着けていました。
始業前に時報で時刻を合わせておけば、秒単位で正確な行動を求められる業務も安心です。
勤務地の防災センターは地下にありましたから、電波時計はちょっと信用できない状況だったというのもあります。
(事実、事務所に備え付けられた電波時計は常に狂っていました)
(リアルに友達がいないので)インターネットを見るに、電波ソーラーを求めている方は手間いらずで半永久的に動く時計を欲しているんじゃないかと感じます。
工業製品である以上、そんなものこの世に存在しないんですけどね。
どれだけ気を使っていても二次電池やソーラーパネルは劣化しますから。
そりゃあ最強っぽいスペックはオトコ心をくすぐるものなんでしょうがないですが、それは本当に時計の見た目やコストを天秤に掛けられるものなのか見直してみてはいかがでしょう?
シチズン・カンパノラのエコドライブ(ソーラー)モデル
ソーラーパネルに工夫を施し、文字盤の美しさと太陽光発電を両立した傑作です。
高級時計は欲しいけど、機械式は面倒という方にオススメ。
1-2 体型・服装に合わないデカ厚・ガチャガチャ時計達
深海という極限の世界――地上の数倍の圧力に耐え、ダイバーの命を守るダイバーズウォッチ。
空駆る男の相棒――あらゆる情報を一目で伝え、時を切り出すクロノグラフ。
良いですよね。デカ厚ケースにクソデカ文字盤のスポーツウォッチ。
僕も大好きです。
だけどその時計……似合っているかと言われると話は別です。
大多数の陰キャ・オタクの方たちは、僕含めてヒョロガリか肥満型かのどちらかだと思います。(偏見)
中肉中背とか筋肉質なスポーツマンという方は、いるにはいるんですが残念ながら少数派。
そんな人たちが「デカくあるべくしてデカい」スポーツウォッチを腕に装着するとどうなるか……。
ヒョロガリ型の人であれば結果は目に見えてますね。
手首に対して時計が強すぎて、貧相な体型が強調されてしまいます。
そうなると「安っぽい」「子供っぽい」「時計は良いけど成金臭い」というネガティブイメージが先行してしまいます。弱りましたね。
そんな理由で一時期は恰幅の良い方を羨んだ時期もありますが……その幻想は冒頭の伊桐先輩がぶっ壊してくれました。
先輩は控えめに言ってスタイルが良い方ではなく、手首も太め。
それでもデカくて分厚いクロノグラフが似合ってるとは言い難かったです。何故でしょう?
伊桐先輩のオフィスカジュアルスタイルは、どこかのサブカル系LIVEグッズと思しき派手な配色のパーカーとダボダボなチノパン又はスウェットパンツ。(本当にオフィスカジュアルか?)
カジュアル一辺倒な服装に、カジュアル色が強いスポーツウォッチを合わせてしまうとそれはもう大変です。
ストリートスタイルならまだ良いのですが、普段着としてカッコイイとはあまり言い難い……ましてやオフィスではどう考えても浮いてしまいます。
せめて伊桐先輩がスーツをバッチリ着こなす伊粕(イカス)先輩だったなら……これ以上は個人の誹謗中傷になるのでやめときます。
そもそもスポーツウォッチとは、大体がその道のプロフェッショナルが使う事を想定して制作された時計たちです。
極限状態で起こる問題に対処するための、設計思想としてはサバイバルツールに近いもの。
なので大抵の機能は、一般人にとっては無用の長物と化してしまいます。
別にダイビングをやる人じゃなきゃダイバーズ付けちゃいけないとかそういうことを言う気はありませんが、スポーツ感の欠片も感じられない清潔感皆無のキモオタっぽい見た目の陰キャがそれを巻いているのがミスマッチなのかもしれません。(ブーメラン)
世界一タキシードとダイバーズが似合う男、ジェームズ・ボンドとオメガ・シーマスター
反例として、電車で見かけた体重が3桁近くありそうなオジサンが品の良いスーツにパネライを合わせていたのはシビれましたね。
顔が特段カッコイイわけではなかったのですが、アレは近年稀に見るイケデブでした。体もセンスもデケェなぁ。(褒め言葉)
デカ厚腕時計ブームの火付け役、パネライ
実は世界初のダイバーズウォッチを作ったところです。
イケてないデブの例
時計は良いモノなんだけどね……
要は時計をカッコよく見せるためには体型と服装も大事ってことですね。
ディスプレイが良くなければ品物の良さを引き出せないと考えると、ある意味当たり前かもしれません。
余談ですが、僕ことかみむらが身だしなみに気を使い始めたきっかけは、自分の好きな時計をよく見せたいからだったりします。
1-3 手首で差をつけろ! 奇妙な色使いの時計たち
唐突ですが、時計界のキモオタブルーと大変不名誉な蔑称で呼ばれる腕時計をご存知でしょうか?
我らがCASIOのハイエンドライン、OCEANUSです。
……誤解無きよう弁明しておきますが、僕はCASIO大好きです。G-SHOCKも2つほど所持していて、そろそろ3つ目を買おうかと検討している程度ですが。
面倒くさい時計オタクから「カシオは時計屋じゃなくて電卓屋なwww」などと疎んじられる等若干ネットでの扱いは不遇なのですが、なぜオシアナスがここまで言われるに至ったか。
……色々要因はありますが、1番はやはり匿名掲示板2ちゃんねるの存在でしょう。
大体「高級時計買ったったwww」などというスレを覗くと、そこには大体青く輝くオシアナスが……。
そしてそれを身につける手首は、オシアナスのサイズに見合わぬヒョロさ……ムダ毛処理もロクにしてないので絵面も見苦しい。
陰キャを引き寄せる、魅惑の青の輝き――オシアナスは不幸な風評被害を受けた時計です。
まぁ2ch(今は5ch)なんてほぼほぼ陰キャしかいないんですけどね。
そして陰キャが心惹かれるもう1つの色彩……それが黒です。
文字盤が黒い時計なんて誰でもしてるって? いえいえ、僕が言ってるのはケースもブレスも黒い時計のことです。
伊桐先輩が付けてたのもこんな感じのヤツだったなぁ……。
近年では高級時計メーカーもちょこちょこ出しているオールブラックの金属腕時計。
これ、普段着に合わせにくいなんてレベルじゃないと思います。どうやったら似合うんだ?
独断で論ずるなら、例えば技術力アピールやオリジナリティの主張、はたまた既存の概念やブランドイメージの破壊を目的として黒い時計を各メーカーは作るのかなぁ……と思います。
従来の「お上品」「紳士的」というイメージを程よく破壊して、新たに活動的なイメージを作り出した好例。カルティエのサントス
そもそもブラックメタルは、時計にカジュアルさ・スポーティさを強調する目的で採用されることが多いです。
我々陰キャに似合わないのは道理かもしれません……。
2. なぜ陰キャはダサい時計を選んでしまうのか?
ここまでで沢山の同志(陰キャ)を敵に回したような気がします。
別に時計なんて何でもいいんです。僕はあなたの時計をダッセェwwwとか笑ったりしません。……ホントだよ?
対策は原因究明から。ここからは、なぜ陰キャが上述のような時計をわざわざ選んでしまうのかを考えていきます。
2-1 今や腕時計は、時間を知る道具ではない
バカかお前は?
「時」を「計る」って書いて「時計」だろ?
……と言われそうですが、ちょっと待ってください。
確かに腕時計は時間を知るための道具です。
正確に時を計るため、いかなる時でも時を示すため――人類の英知を注ぎ込み進化してきた時計というものが僕は大好きです。
ですがこの現代に於いて、正確な時刻なんてものはスマホを見れば一発です。あらゆる家電に時刻表示機能は存在し、腕時計を付けなくても人々は容易に生活できます。
ならばなぜ、人々は時計を身に着けるのか。
世の中のサラリーマンは、決して安くはないであろう時計を身に着けて仕事に臨むのか。
イメージのため? ファッション?
いろいろ理由はありますが、総括すると時計の役割はアクセサリーなのです。
そもそもヨーロッパに懐中時計が流通し始めた頃、時計には「自分は常日頃から時間を気にする仕事をしている(=高給取りである)ぞ」というステータスシンボルとしての役割も担っていたといわれています。
原初より身に着ける時計は、アクセサリーとしての役割も兼任していたのですね。
それが現代になり、時計としての機能より装飾品・シンボルとしての機能の比重が大きくなった……というのが正しいでしょうか。
考えてもみてください。
もしシルバーのチェーンを手首にジャラジャラと巻いていたら、それはチョイ悪系のおじさんを想起させるでしょう。
まぁこの辺は趣味なので僕はどうとも思いませんが、スーツに合わせる人はまず居ない。
ところがこれが金属ブレスの腕時計となると、どんな服に合わせても大して違和感がありません。
もうお分かりですね? 腕時計とは、我々男性が唯一自然に身に着けることが許されたアクセサリーなのです。
スイスの時計産業史に於ける偉人、ニコラス・G・ハイエック
さすがにこれは付けすぎですけど、この人だけは許せます。
……であるためか、過度に機能性を重視して見てくれを軽視した時計というのはイマイチ現代の大衆価値観にハマらないのです。
陰キャがよく使う言葉に「コスパ」というものがありますが、そのコスパ重視で選ばれているものは大抵が見た目というパフォーマンスを軽視しがちです。
もっと踏み込んで言えば、多くの陰キャはスペック厨であるが故に数値化されたものしか見えず、友達が少ないが故に他者からどう見られるかを気にしない傾向があります。
……書いてて心が痛くなってきました。
また、やたらと機能が充実している物を選びがちなのもコスパ厨・スペック厨というなかなか治らない病が悪さをするから。
どうせお金を使って買うなら……と特に必要ない機能が盛りだくさんの時計を選んでしまいがちです。使わないのに。
そうなるとデカくて文字盤がガチャガチャしたクロノグラフや、実用性一本気質の無骨なデジタル時計に手を出してしまうんですね。
これらの時計は、特に女子ウケが非常に悪いです。男性にはウケるし僕も大好きなんですけどね。
視認性やシンプルさも、素晴らしい機能である――という事を本記事の読者はせめて覚えておいてくれると嬉しいです。
多機能と視認性の両立、ブライトリングのナビタイマー
昔から変わらぬデザインで生き残るモノはやはり格が違います。
2-2 陰キャは”引き算”と"掛け算"が苦手
算数なんて誰でもできるはwwwww
消えろよF欄低学歴wwwwwww
待ってください。数学じゃないんです比喩なんです。
どちらかというと国語なんです。
まぁそんなことはどうでもいいです。
前項で述べた通り、陰キャは「他者からどう見られるか」――つまり第三者視点で自身の見た目に気を使うことを非常に不得手としています。
要は俯瞰ができないんです。
故に服を買う時も、白いブロードシャツは地味に感じてチェックシャツを選び、無地のTシャツではなくプリントTを好む。
黒いスキニーはオシャレに見えず折り返せば柄の入ったチノパンをオシャレと思い、単色のシューズではなくゴテゴテのハイテクスニーカーに心躍らされる。
これらはトータルコーディネートができない――手持ちの服とどう掛け合わせよう? どこから何を引いて着よう? という思考ができないが故の悲劇です。
言葉を選ばず言うなら、単品でカッコいいと思うものを好き勝手に次々着こんでいくのは子供の着こなしです。
だからこそ陰キャのファッションは子供っぽいと言われがち。
うぅ……胃が痛くなってきた。
腕時計に関しても同じことが言えます。
単品で見ると確かにかっこいい。けど、それを付けこなすのは非常に難しい時計に陰キャは挑戦しがちです。
おそらく彼らは無意識に時計そのもののスタイリッシュさに惹かれているだけで、無謀にも果敢なチャレンジを行っている自覚は無いのでしょう。
だからこそ幸運にも他者から時計への評価を聞けたとき、己の自信に対して芳しくない反応に首を捻るのです。
「おかしい……時計はかっこいいよな……?」
そう。時計”は”かっこいいのです。
……ここまで考えたところで、僕は行き詰りました。
行き詰まるかみむら
(※画像はイメージです)
さんざんこの記事でこき下ろしたオシアナス。
あの青い輝きが陰キャを引き付ける理由がわからないのです。
「鮮やかな青の差し色って、なぜあんなに陰キャに刺さるんだろう?」
「マンタとかは文字盤ゴチャゴチャ族だから理解できるけど、シンプルな3針モデルでも拭えないオシアナスっぽさの正体はなんだろう……?」
「それこそ色使いで言ったら他のブランドにもっと派手なのあるし……」
「そもそもあの青色、僕も結構好きだしなぁ……まぁ僕自身が陰キャなんだけど」
と飲み屋で悶々と考えていたところ、常連のミュージシャンちゃんが僕の隣に座りました。
芸術関係という事もあってファッションセンスも素晴らしく、アバンギャルドさとゆるふわを上手にミックスした普段着がとても可愛らしい方です。
僕なんかより万倍センスあります。
ミュージシャンだし、仮に「音ちゃん」とでもしておきましょうか。
※会話内容は演出の都合上、多少過激にしています。
音ちゃん「かみちゃんさ、一つ疑問があるんだけど」
かみむら「はい? なんでしょう?」
音ちゃん「男の人ってさー、袖とか首の裏に柄入ってたり、襟がヘンな風になってるワイシャツ着てる人おるじゃん?」
かみむら「あぁー……えっと、こういうのですか?」(ガゾウミセー
こういうの
音ちゃん「そうそれそれ! あれダサいよねぇー」
かみむら「うぐぅッ!?」(←ちょっと前まで着てた)
音ちゃん「スーツに合わせるにも、一枚で着るにしても、普通のシャツの方が良いと思うんだけど……けど買って着てる人が居るってことは、カッコいいと思って着てる人も居るって事だよね……」
かみむら「……音ちゃん。あれはですね、誰も幸福にならない魔のアイテムなんですよ……」
音ちゃん「なになにどゆこと?」
かみむら「まずあの手の変形ワイシャツは、メーカー側もダサいと認識して売っているそうです」
音ちゃん「えぇー!? なんで!?」
かみむら「売れるからです」
音ちゃん「なんで売れんの? 誰がどう見てもダサいじゃん」
かみむら「ぐへぇッ……(吐血) え、えっとですね。ではまず多くの男性がシャツを着るのはどういう時でしょう?」
音ちゃん「ん? まぁかみちゃんは私服で着てるの見た事あるけど、大体はスーツの時じゃないかなぁ」
かみむら「ですよね。で、スーツってみんなだいたい同じじゃないですか。仕事用だと派手な色や柄は使えないですし、クールビズだとネクタイも外すし」
音ちゃん「まーねぇ」
かみむら「みんなと同じだと、オシャレじゃないような気がしてくるんですよね。もちろんサイズ感とかをオーダーで拘れば見え方は変わりますけど、結構お高いじゃないですか」
音ちゃん「そだねースーツなんてそんなに気軽に増やせないだろうし」
かみむら「……でも、シャツなら安く気軽に買える。安価に他人と差別化できて、『自分は服装に気を使っている!』ってアピールできるんですね」
音ちゃん「へー! ダサいけどね」
かみむら「あべしッ(爆死寸前) ……ま、まぁ結局差別化の方向がトンチンカンなのでそうなりますね。ロールアップするとチェック柄が見えるパンツと似たようなもんです」
音ちゃん「不幸な話だ……」
――この後、かみむらは投げたブーメランが全部刺さって死にました。
陰の者ならぬ草葉の陰の者です。
今際の際、音ちゃんとの会話でブーメランの飛行音がリフレインしていました。
みんなだいたい同じ――――
派手な色や柄は使えない――――
みんなと同じだと、オシャレじゃないような気がしてくる――――
気を使っている! ってアピールできる――――
差別化の方向がトンチンカン――――
あっ、そっかぁ……(天啓)
死んでる場合ではなくなってしまいました。
2-3 哀しき努力の方向音痴
オシアナスが陰キャに好まれる理由――それは、差別化のためのカラーリングにありました。
青をブランドイメージとして打ち出してるオシアナスにそんな事を言うのは正直酷だと思いますが……あくまで一般人の論拠ガバガバ仮説なので許してください。
別に青がダメってわけではないのです。
青文字盤と言えば、白や黒に次いで定番とされる文字盤の色。
但し各メーカーの青文字盤は、大体が単色であったり光の反射加減でグラデーションを作るよう計算されています。
高級時計の青文字盤ともなると、加工技術や色彩の魅せ方に溜め息が出るほどです。
また、色の切替えは大胆かつ鮮やかに。スポーツウォッチとしての爽やかさが垣間見えます。
セイコー・プレサージュの七宝ダイヤル
凹凸を付けた地金に職人が薄く釉薬を焼き付ける事で創られるグラデーションは、実際目の当たりにすると生唾を飲むほどの美しさでした。(実体験)
ロレックス GMTマスターⅡ
通称ペプシダイヤルと呼ばれる回転ベゼルが爽やかです。
ではなぜ、オシアナスはそれらが無いのか。
ダメなところを探しに公式ページを覗くなんて不遜な真似をして理解したのですが、オシアナスのカラーリングは概ね以下の2パターンに分類できます。
①モノトーン+差し色に鮮やかな青
②明るい青・淡い水色~濃紺or黒のグラデーションカラーを多数使用
まずは①について見ていきましょう。
…………くどい! くどすぎる!!
何もインデックス(時計のメモリ)まで青で縁取らんでも良いでしょう!!
というかそもそもベゼル(時計のガラス周りの部分)の内側を青で縁取る必要あるか……?
シンプルに文字盤青くすればいいんじゃないだろうか……。
けどそれだとオシアナスである必要性が無いか……。
このように切り替え色を多用してしまうと、シンプルな3針であっても必要以上にゴチャついているように見えてしまいます。
けどだからこそ、普通の3針腕時計だと地味すぎると感じる陰キャには丁度良い塩梅なのかもしれません。
言ってて悲しくなってきた……。
気を取り直して②の例を見てみましょう。
いくつ青色使えば気が済むの。
いや確かに、微妙に異なる青色たくさんを分けて使ったのはすごいです。
けど下手に青の数を増やしまくっているせいでまとまりが悪いように感じられます。近似色のはずなのにゴチャゴチャしている……どうにも奇妙です。
オリジナリティという面では確かに強烈ですが、だとしたら青以外の色彩をもっと大々的に色の使ってもいいんじゃないかと僕は感じました。
せめて明るい青がもっと抑え目なら……けどそうなるとオシアナスである必要性が(ry
青・グレー・シルバーの色の切り替えが実に見事なゼニスのエルプリメロ
時代を先取りしすぎたせいか、ムーブメント(時計のエンジン)が初登場時と大差ありません。
けどこの配色、陰キャにウケるのはスゲーよくわかります。
「白や黒は地味……もうちょっと派手なのが良いけど赤とかは手が出せない……」
「地味すぎず派手過ぎず……青もフォーマルでイケるのか。あっ! この青すごく良い!」
ってなるんでしょう? 多分僕はそうなります。
そもそも原色に近い明るめの色彩というのは、カジュアルなイメージが強くて普段着に合わせづらいです。
服装がカジュアルなら猶更です。
そもそも黒~暗い色+明るい差し色という組み合わせのガジェットは、オタクっぽいというかギーク臭のするアイテムなんじゃないかとも思います。
ゲーミンググッズなんかがその典型例ですね。
もうゆるしてくれ……
この、なんというか……無難にも振り切れず、前衛的にもなりきれないどっちつかずさが陰キャが陰キャたる所以を表しているような――――
ストレスで蕁麻疹が出そうなのでそろそろやめときます。
とはいえ、オシアナスの中にも結構いいセンスしてるんじゃないかって時計もありました。
それがこちら。
江戸切子職人が手掛けたというサファイアクリスタルベゼル。
配色が透明感のあるブルー×イエロー、どこか英国を思わせる上品さです。
デザインも江戸伝統のものですが、直線の使い方がアールデコを彷彿とさせます。
文字盤は黒一色にブロンズ、悪目立ちしないイイ感じ。
ロゴがライトブルーである点に目を瞑れば……というかそれがなくなるとオシアナスである必y(ry
限定品だからこそ出せたこの上品さ、ベゼルの出来だけで言えばスイスの高級腕時計にも引けを取らないんじゃないかと僕は思います。
まぁ……通常ラインではこういうの作れないだろうし、作ってもあんまり売れないのかもしれないね……。
まとめ:CASIOさんマジでごめんなさい
陰キャの時計っていう題材なのに気づいたらオシアナスのディスり記事になっていたでござる。
ていうかこんな事気にしてんの陰キャだけじゃ!
みんな好きな時計巻けばええねん!!
信じられないと思うんでもう一度言いますけど、僕はCASIOという時計メーカーが大好きです。
だからこそ辛辣な物言いになるというか……キモオタ陰キャの悪いところが凝縮された記事になっちゃった。
よくもまぁこんなものお読みいただきましたね。
ありがとうございます。お疲れ様でした。
クリスマス当日になんて記事書いてんだ俺。
1万文字だぞ?
バカかよ。
そのうちオススメの時計とか、ファッションについても書きたいなぁ……。
それでは皆様、良いお年を!!
……おや? 誰か来たようだ。
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