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従業員への損害賠償について

質問  従業員が業務中に車を運転していて事故を起こしました。特に怪我はなく、労災の申請はありません。ただ社有車を破損させているため、その金額について弁済をしてもらうか検討中です。仮に損害賠償してもらうとした、どの程度が適正でしょうか?

回答  まず確認をすべきは就業規則に損害賠償に関する規定があるか、という点になります。労基法は、損害賠償額についての予定は禁止されています。
具体的には、以下の事例のように規定され、禁止されています。(愛媛労働局ホームページより

賠償予定の禁止(第16条)

 労働契約の不履行について違約金を定めたり、損害賠償額を予定する契約をしてはいけません。

労働契約の不履行

・労働契約の不履行の場合の違約金制度の設定

例)
「途中でやめたら、違約金を払え」
労働契約に損害賠償額の予定を事前に盛り込む
例)
「会社に損害を与えたら○○円払え」
 上記事項を禁止します。

ただし、実際に損害を発生させた際に、合意の上、損害賠償を求めることまで禁止するものではありません。そのため、損害賠償を求めるのであれば、その旨を就業規則に規定する必要があります。
その上で、合意をとり損害賠償をしてもらう、というのが原則的な流れとなります。

では、損害賠償金額はどの程度が妥当かというと、上限は概ね損害額の25%というのが判例の割合となります。

ただ実際は、その従業員の過失割合や金額の絶対額により変わってくるので、個別具体的に検討すべきでしょう。

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