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雇用保険の遡及を伴う資格取得手続について

会社は、新たに従業員を雇用したときは、被保険者となった日の属する月の翌月10 日までに雇用保険被保険者資格取得届を提出する必要があります。

この手続が何らかの理由で漏れていた場合には、過去に遡って確認を行うことになりますが、被保険者となった日が、被保険者であったことの確認が行われた日から 2年より前であった場合には、その確認が行われた日の 2 年前の日とみなすこととしています。(雇用保険法第 14 条)

では、上述の「被保険者であったことの確認が行われた日」とは、どの日を指すのでしょうか。

この点、

(1)事前にハローワークに被保険者となった者から確認請求があった場合は、その日

(2)(1)がなく、被保険者資格取得届をハローワークへ提出した場合は、その日

となると考えられます。

(1)の根拠は、雇用保険法第8条の「確認の請求」となり、(2)は雇用保険法第7条となりそうです。

いずれにしても、雇用保険の資格取得届は労働者の失業等給付を左右する手続きとなりますので、手続き漏れをしないようにするべきです。

なお、会社から雇用保険被保険者資格取得届を提出されていなかったために、雇用保険に未加入とされていた方は、被保険者であったことが確認された日から 2 年前まで雇用保険の遡及適用が可能となっております。
また平成 22 年 10 月 1 日以降は、事業主から雇用保険料を天引きされていたことが賃金台帳や給与明細書等の書類により確認された方については、2 年を超えて雇用保険の遡及適用が可能となりましたので、対象の方がいらっしゃるような場合につきましては、管轄のハローワークまたは顧問社労士の方にご相談ください。

参考資料「雇用保険事務手続きの手引き 令和3年8月版

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