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ABO血液型とCOVID-19の関連性:多施設共同研究からの示唆

Annals of Hematologyに掲載された最新の研究では、ABO血液型とCOVID-19の重症度(挿管または死亡)との関連性を明らかにし、また異なる血液型によるCOVID-19感染の陽性率にばらつきがあるかどうかを調査しました。

この多施設研究は、2020年3月6日から4月16日までの期間に、5つの病院でCOVID-19陽性患者全員を対象に行われました。患者の血液型と関連して入院、挿管、死亡、COVID-19感染の陽性率を評価しました。単変量解析とロジスティック回帰を使用して、血液型が挿管および/または死亡の独立した影響を決定し、陽性率に対する影響を評価しました。

研究期間中、合計7,648人の患者が参加施設でCOVID-19検査を受けました。そのうち1,289人が陽性であり、かつ血液型がわかっていました。陽性例では、37.5%が入院し、9.5%がICUに入院し、8.4%が挿管され、0.2%がECMOが必要で、6.9%が死亡しました。陽性患者の血液型分布は、A型が34.2%、B型が15.6%、AB型が4.7%、O型が45.5%でした。

分析の結果、血液型とピーク時の炎症マーカーや臨床転帰との間に有意な関連は見られませんでした。多変量解析によれば、血液型は挿管または死亡のリスクとは独立して関連していませんでした。ただし、血液型BおよびABはCOVID-19に陽性となる可能性が高く、一方で血液型Oは陽性になるリスクが低いことが示唆されました。Rh陽性の状態もCOVID-19に陽性となる可能性が高かったです。

研究は、COVID-19患者の挿管または死亡のリスクとABO血液型との有意な関連性はないと結論づけています。ただし、B型およびAB型の個人はCOVID-19に陽性となる可能性が高く、O型の個人は陽性になるリスクが低い可能性があります。Rh陽性の個人もCOVID-19に陽性となる可能性が高いとされました。

(出典: Latz, C.A., DeCarlo, C., Boitano, L., Png, C.Y.M., Patell, R., Conrad, M.F., Eagleton, M., Dua, A. (2020). Blood type and outcomes in patients with COVID-19. Ann Hematol, 99(9), 2113-2118. doi: 10.1007/s00277-020-04169-1)

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