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百英雄伝 クリア後の感想

 はじめに百英雄伝が世に出るに至った経緯とそれを支えたファンの方々に敬意を、そして無事に世に出たことに対する祝福を。このタイトルに関わった全ての方々のおかげで、楽しい時間を過ごすことが出来ました。  そして最期に大きな仕事を遺された故・村山吉隆氏に哀悼の誠を捧げます。 総評  おそらく制作された方々の意図の通りにPS1・2の時代のRPGを引っぱり出して来て遊んでいるような味わい。  良い部分も悪い部分もたくさんあるので、総合すると"幕の内弁当"のようなタイトルと言える。

    • 栗城史多は、誰?―下山家と呼ばれたある男の話

      表題は2018年にエベレストの山中で帰らぬ人となり、その後おこなわれた追悼展のタイトルです。 "栗城史多は、誰?" 彼のキャリアについて、当人の語ったように素直に表現するならば「七大陸最高峰の登破を目指し、最後の一峰となるエベレストに八度挑み続けた登山家」という人物のはずなのですが、追悼展を行った主催者が選んだタイトルはこのような意味深なものでした。 これにはもちろん理由があり、彼を取り巻くさまざまな事情を秀逸に表現したものだと思っています。 亡くなってからそろそろ三年の

      • 無題

          犬がしきりに入りたがるのでドアを開けると、すっかり物置にされてしまった私の部屋には、また物が増えたようでした。  夕焼けにそまる部屋のなか、天井からさがったヒモを引いて蛍光灯に明かりをともすと、犬がベッドのわきの段ボール箱をひっくりかえし、ボールのようなものをくわえて、部屋の外に駆けだしていくのが見えました。  箱の中から散らかった、ボールや小さなぬいぐるみを元にもどしていると、犬のあつめた宝物のなかに、父のサングラスが混ざっていることに気がつきました。  よだれでべとべ

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