結婚したいなら婚活するな!婚活が結婚に向かない3つの理由

 結婚したいなら、絶対に婚活に手を出してはいけません!
 Twitterでは婚活コンサルティング的な肩書きを自称する方々が婚活について色々語ってますが、彼等は結局「モテる方は結婚出来る。モテない方は結婚出来ない」以上の事は言いません。というか彼等は要するに現場報告をしているだけで、そもそもコンサルしてない印象です。
 また恋愛コラムを執筆してる「えっ貴方、なんか随分色々恋愛やらメンタルやらが大変そうだけど他人の悩みに答えてる場合なの?」的なライターも、結局は個別事例を数例あげて「妥協が大事かもしれない」or「妥協すべきではない」的なふんわりとした結論しか出せません。
 何故、彼等はハッキリと「婚活ならではのメリット」やソレを活かすような戦略、または婚活自体の前向きな楽しみを述べるのではなく、まるで婚活を苦行のように扱い、その不安を煽るand/or慰めることしか出来ないのでしょうか?

その理由はただ一つ「婚活は結婚に向いてない」からです。

 数字的な根拠をあげましょう。
 2013年明治安田生活福祉研究所の調査によれば、独身者は出会いの場として「婚活」に期待を寄せる方は7.2%もいますが、既婚者の実際は1.3%という数字が出ています。


 また同調査によると実際に婚活し、尚且つ結婚出来た方への調査によれば「婚活は現実の結婚に繋がったか?」に対して、直接関係あった方の割合は男26.8%、女24.7%に過ぎません。

 繰り返しますが、コレは「結婚出来た方」を対象とした調査ですので、コレに「婚活して尚且つ結婚出来てない方」を加えた場合、更に少ない数字になることが予想されます。因みに2013年に婚活総研の出した調査によりますと、結婚相談所のお見合い成立率は6%です。

 つまるところ、大多数の方にとって婚活は苦行でしかないのです。そして、何故婚活は苦行化するのでしょうか?その理由を考えていきたいと思います。

出会いの場が増えるほど出会えなくなるパラドックス

 当然ですが、人間の魅力にはバラつきがあります。そして誰もが魅力的な人間をパートナーにすることを望み、逆にアレな方は拒絶しようとします。そのため出会いには、自由な出会いの場が増えれば増える程、


 参加人数が増える→競争が激化する→皆がより魅力的な方をパートナーにしようとし、アレな方を拒否するようになる→大多数の魅力的でない方の出会いが上手くいかなくなる


 というパラドックスが生じます。要するに出会いの場が増えることによる恩恵を受けるのは、選ぶ側の人間=魅力ランキング上位の人間だけであり、中位下位の方々は自分and/or同位の人間の目が上位の人間に向くので、より孤立しやすくなってしまいます。

 実例をあげますと2010年厚生労働省出生動向基本調査によりますと、18〜34歳未婚者は「恋人はいる?」の質問にいると答えたのは男19%、女27%であり、また「婚約者はいる?」の質問にいると答えたのは男1.6%、女2.9%であり、単純計算すれば女の3割は二股、4割は婚約詐欺に「現在進行形」であってることになります。


 一方で、2015年リクルートブライダル総研の「恋愛・婚活・結婚調査」によると、20代男の4割は年齢=彼女いない歴であり、30代でも3割が年齢=彼女いない歴です。


 要するに自由恋愛市場は、一部のモテ男に需要が集中するということでありますし、また「魅力ある方に人間が集中する」and「魅力ある方は好き放題やる」という現象は自由恋愛に限りません。
 これが出会いの場が増えるということであり、現に婚活でもチラホラ「ヤリ捨てられた!」的な嘆きがTwitter等に流れてきます。

 つまり今の婚活は「皆が出会いを求めるので、皆が出会えなくなる」という最悪の構造が生じているのです。
 更にコレに加え、婚活は

結婚が絶対条件になるので足切りが厳しくなる

 婚活女が「高望みは決して言いません!普通!普通でいいんです!」と結婚相手の男に「普通のスペック」を求めたとします。具体的な普通として、普通の年収=年収300万以上、普通のコミュ力=非童貞、普通の学歴=大卒、を条件にしました。
 厚労省調査によると年収300万以上は20~35男の51%ですし、非童貞率は60%ですし、大卒率は55%ですので、個々の条件は「普通」と言えます。


 しかしながら、コレを全部満たす男の割合は単純計算で、0.51×0.6×0.55×100=17%になってしまいます。


 勿論、年収高い男は非童貞率も高く大卒である割合が高い面がありますが、それでも個々のハードルが低くても、そのハードルの数だけ「全てのハードルを上回る」方の割合は減っていきます。
 その為、結婚から逆算して条件を設定していくと、そのつもりがなくても「高望み」してしまう危険性が非常に高いのです。

 しかしながら、恋愛においてはこの限りではありません。例えば現実の恋愛では、口では「女は黒髪清楚処女美人巨乳以外は認めない!」と言ってるオタクが、サークルにフラッ現れた所謂姫的な女に参ってしまう光景がよく観測されます。
 婚活以外ならば、例え理想通りじゃなくても、当初の条件を満たしてなくても「この方と添い遂げたい」という気持ちの前に、そんなモノは全てが灰燼に帰すのです。
 しかし、婚活では基本「この方は年収が低くても、性格がいいし、フィーリングもあう。所得で苦労することになっても結婚したいし、二人でソレを乗り越えていきたい」的な現象は起こりません。婚活はその性質上、自分の定めた条件に合わなかったら、そこで「次!」となってしまいます。


 そして重要な点ですが、この「次!」は自分だけでなく「相手」にも適用されます。


 婚活では、どんなに貴方が素晴らしい人間であって、相手が定めた条件に幾つか適合しなかっただけで「次!」になってしまうのです。これは具体的な数字はありませんが、「婚活じゃなければロマンチックな関係になり、結婚までこぎつけた組み合わせなのに、最初に結婚を条件にした為に出会えなかった」事例は絶対多いはずです。
更に言えば、

婚活は認知の歪みを強化する

 婚活は当然、結婚を前提をして行うものですから、結婚に関して不安に襲われることもあるかと思います。結婚の失敗事例、ダメな相手の見分け方、将来の備え…等について考えざるを得ないでしょう。
 しかしながら、結婚生活に関する情報は、大体が都会の物価・賃金・文化水準を前提とした都会発のメディアから無責任に垂れ流されてるのが実情です。とりあえず、婚活における「◯◯万円ないとマトモな結婚生活は送れない!」や「年収○○万円じゃないと子育ては出来ない!」的な都会人・メディアの言ってることは大抵嘘松です。
 みんなソレ以下の年収で普通に幸せやってます。
 参考までに述べますと、2017年厚生労働省賃金構造基本統計調査によりますと、東京都の平均所得は615万円ですが、青森県は359万円です。また厚労省就業構造基本調査によりますと、全国単身世帯有業者所得最頻値は東京都は300~399万円ですが、青森県は200~249万円です。

 また婚活の愚痴はSNSで共感を集めやすいです。
 例えば「婚活パーティで、女はみんな綺麗だったけど、男はみんな冴えなかった」的な愚痴はSNSで定期的に流れてきます。実際「主観的」にはそういう面もあるでしょうし、そう感じてる方も少なくないので共感されるでしょうが、しかしながら客観的には「みんな綺麗=みんな平均的」「みんな冴えない=みんな平均的」ということであり、主観と客観は往々にして齟齬を起こします。
 また婚活で「妙な高望み女ばっかり!現実見れない嫌な性格!」的な愚痴もSNSで定期的に流れてきますが、そういう方ばかりとマッチングしてしまう方は、客観的には高確率で言ってる方自身も「そういう方」に分類されます。

 婚活は、実際にパーティーに参加し、思案を巡らせ、仲間と体験を共有し、情報を集めれば集める程、頭ハッピーセットになっていくのです。

では結婚したい方はどうすればいいのか?

 婚活は今すぐ止めましょう。
 それ以外に絶対普遍の真理はありませんが、私見では婚活と正反対の「限定された場」で「選択と選別」を目的とせず「ナニかの相手を探す」ことを目的とし、妙な煽り屋の煽りから耳を塞ぐのが良いのでは?と思います。
 例えば、趣味の場で「理想の結婚相手」を探すのではなく「一緒に趣味を楽しむ方」を探すのがいいかもしれませんし、SNSのオフ会に参加するのもいいかもしれません。


 繰り返しになりますが、「出会いが多くなるほど出会いは成立しなくなる」「結婚を絶対条件とすると、本来ロマンチックになれた方とも可能性がなくなってしまう」は必ず覚えて下さい。


最後になりますが、婚活は確実に人生を悪くします。