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五月某日 ゆめにっき

蛇を飼う夢を見た。赤くて、10cmくらいの蛇が3匹。
そのうち1匹は特に小さくて、目を離すとどこかに行ってしまいそうだった。


本当はヤモリだか、イモリだかを飼いたくて、でも手元にいるのはどういうわけか真っ赤な蛇だった。


何を食べて生きているのかはよくわからなかったけれど、なにかしらを食べたのだろう。
ちょうど頭の方から順々に、胴が太くなっていた。さながらツチノコのようなフォルムだった。


3匹ともあんまりに赤くて小さいので、トグロを巻くと大粒の梅干しにしか見えなかった。
頭を体で包み込む、変なトグロの巻き方だった。


蛇たちはベッドの中や机の裏など、あちこちに潜り込んではわたしを困らせた。布団をめくったり、隙間からはみ出た尻尾を、蛇のそれは尻尾と呼んでもよいのだろうか。まあとにかく尻尾をそっと引っ張ったりして、なんとか目の届くところに置いておこうと苦心した。


机の裏に潜った蛇(3匹の中でも一番小さいやつ)は、再び這い出てきたときには首元が。蛇のそれは首と呼んでも差し支えないだろうか……まあとにかく首元がパンと張って一回り太くなっていた。

何かを食べたのだろうが、生憎そこには大量のホコリしかなかったんじゃないか。もしかしたら、ホコリを食べて生きる蛇なのかもしれなかった。


今まで蛇なんか買ったこともないから、飼育道具も餌も持っていない。とりあえずなにが必要かを調べるところから始めなければならない。

目を離した隙にお尻の下にでも潜り込まれて圧死されては敵わないので、蛇たちを1匹ずつ捕まえて、同じお菓子の空き箱に仕舞った。2匹はおとなしく梅干しのすがたになっていたが、1匹はしきりに外に出たがった。無視。

蛇なんてどうやって買えば良いのだろう。カメみたいな感じで良いのだろうか。水と丘とを用意した大きめの水槽に、ちょっと草でも生やして入れておけば良いのだろうか。餌はなにをあげれば良い?さっきホコリかなんか食べてたしホコリで良いのか。

そもそもコイツらは普通の蛇なんだろうか。もしかしたらツチノコかもしれない。ツチノコってなにを食べるんだろう…?
なんだかご飯の心配ばかりしてしまうな。あまり水が多い水槽だと溺れてしまうかもしれない。ふと見たら蛇が逆さになって水面に浮いていた、なんてことになったら嫌だ「……よう」もんな。うーーん困ったなあ「おはよう」。


おはよう。

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