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カムカム提灯記事分析は面白い…他にすることはあるんだけど!

 さんざん貶してきた『カムカムエブリバディ』だけれども、提灯記事の支離滅裂ぶりはさんざん楽しませていただきました。

文春砲が効果あるのだろうか?

 最終回と合わせた『週刊文春』も、そりゃ読みますよね。なんてたってウクライナ情勢よりデカデカと広告スペースとっていたもの。
 そしてざざっと見た。おかしな点があります。

 まず、NHK関係者、口が軽すぎる。
 NHK関係者が演出意図をトリビア的に語る記事。こんなもん、演出意図が視聴者に伝わらないで有料雑誌で補わないといけないなんて、端的にいって失敗でしょう……。
 それにそのNHK関係者はどうしてそんなことをホイホイと文春さんに話すんですか? はなから“ありき”じゃありませんか? ちなみにこの手の記事における「なんちゃら関係者」が実在するかどうかは不明。固有名あげていないのであれば、ライターがでっちあげでもできるんですよ。

 そしてドラマの中身が実はよくわからない。出演者、しかも脚本家に恩義があると思われる役者や、スタッフが、これみよがしにいかに“神”脚本であるか語る。そういう持ち上げだ。
 あるいは役者のトリビア系。互いに褒め合っている系。だからそういうことでなく、ドラマのどこがよかったんですか?

 それにしたって、主役級でなく、地味な脇役が出てきちゃっている。弾が尽きた感があります。この情報って、ドラマを楽しむためにほんとうに必要なのでしょうか?

◆〈カムカム完結〉「あかにし」の女将“清子”役・松原智恵子77歳が絶賛する役者は誰だ #文春オンライン https://bunshun.jp/articles/-/53422

サブカル終焉が見える

 どうにもこのドラマ周辺は胡散臭い。
 サブカル礼賛の薄寒い空気が漂っていて、それも終わりで限界なのだなと思えてきました。

 サブカルがどんだけ嫌いかと私に聞きたい人もいるでしょう。サブカルというか、2000年代の空気が嫌いです。この年代、インターネット世論が爛熟してきた、要するに2ちゃんの洗礼を受けた時代ですけれども。

 あの時代って、ネットに書き込んで読んでいるだけで、情報強者になったような気がする。そういう驕り昂りがあった。サブカルにはその時代の驕った空気がまだ澱んでいる。今の本物の若者なんて、物心ついたころからネットを触っているから、このわけのわからん万能感は薄寒いだけでしょうに。

 ネット世論で裏話を知って、何かの通になった万能感って麻薬ですよ。真面目にコツコツ本を読んだりせずとも、一発逆転感覚で勝てた気になっちゃう。研究者の方がSNSでちょっとした失敗をしたなんて書き込むと、軍師のツラをしてあげつらうリプライがわんさと押し寄せる。インターネットでは努力なしで、界隈の空気を読むだけで勝った気になれる。
 
 このドラマの脚本家の方って、そういう2000年代以降のインターネットを駆使したファンダムと相性抜群なのだとは思います。『平清盛』は低視聴率にあえいだ作品なのですが、それでもハッシュタグをつけたファンアートのことを過大に取り上げるなどして、いわば「情強ならわかる名作大河!」枠を確保したと私は思っております。好きな大河を問われ、「やっぱり『平清盛』。確かに視聴率は低かったけど……」とトリビアを語ると、なんかものすごく賢い人のように思える効果が醸成されているんじゃないかと思う。その効果は、脚本家のネームバリューにくっついてきたと。遡れば『ちりとてちん』にも到達するのでしょう。

 ゆえに今回の朝ドラも、中身がさしてわからない時点で、脚本家の名前を聞いただけで大興奮する意見が出てきたものですよ。

 そういう情強ドラマ通から私はほど遠いので、今回のドラマは反応を見物することだけは楽しめました。なんでしょうね。こういう「俺らはサブカル臭いコンテンツが好きだから、一般人の情弱より上!」みたいなノリ。もういい加減やめませんか? 

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