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『ちむどんどん』第47回 歌子の悲しみ

 ときは1976年。アッラ・フォンターナでの修行も5年目の暢子です。沖縄では歌子が病気を理由に退職し、東京で検査を受けることになります。

問いと答え

 そして鶴見の暢子の元へゆく母と娘。なんでも三郎と賢三にも因縁があると示されます。これが伏線か。
暢子は新メニューでボンコレビアンコを出すものの、あまゆに謝罪にきた二ツ橋は「イマイチ」。具材はちゃんと使っていて工夫されているけど、彩りが乏しいとか。あ、これでイカスミ! そう問いと答えがワンセットになっているわけで、また優等生的な水曜の使い方です。

そしてその彩りは

 歌子が上京しているものの、いきいきとした姉と、そんな姉と話す智をみて、暗い顔をして部屋に戻ってしまいます。今日は歌子の日。でーじわじわじする。そんな沖縄言葉で言いたくなるようなモヤモヤがみえてきます。
良子と暢子のように夢を叶えられない! そう吐露する歌子よ。もう歌子は健気なので、歌子がクローズアップするだけで私はもうそれだけで胸がいっぱいかもしれない。

 歌子の気持ちをイカスミにしてパスタを染める。そんな展開が見えてきましたね。妹の涙で染めるようで残酷だけど、それでこそ料理ものだとは思えます。

なぜ、上京したかって?

 なんで親子が那覇や福岡でなくて東京かって? そういうことをドヤ顔でアンチハッシュタグに書き込みして、馴れ合って得意げなあなたがうらやましい。嫌みでもなく。ご自身及び周囲はさぞや頑健なのでしょう。

 しばしば紹介状がなければ名医に罹れなかったりするもの。病気によっては専門医が特定の場所にしかいない。ゆえに距離は関係ない。今だって難病で海外に治療するためにカンパ集める例はあるでしょうに。

 ただ地図広げて「ここにも病院あるはずだー!」と大威張りする。そんな童心が羨ましい。兼好法師は「友達にするなら病気したことあるやつな」と書いていたけど、その通りですな。

 弱者への想像力がない人間は、どんなご立派な経歴をお持ちだろうと、賤しいものだと思います。

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