『虎に翼』第83回 彼岸花のような赤い腕飾り
玉は、これまでの涼子のことを語ります。
昭和17年(1942年)、法律をあきらめ家を選んだ涼子は婿をとりました。しかし、子ができませんでした。最晩年、涼子の母・寿子は婿以外とでも子を作る迫り出しました。錯乱する母をあしらうしかない涼子でした。
華族桜川家の没落
その母は戦時中に没し、桜川家は空襲に襲われます。疎開しなかったわずかな使用人とともに逃げ回るも、執事の岸田はじめ、犠牲者が出ました。玉は逃げる際に腰を強打し、一命はとりとめたものの、足が動かなくなってしまったのです。
戦後、新聞で涼子は新憲法の記事を読みました。
華族制度が廃止され、国民が平等になるということ。それは華族の持てるものを全て奪うということでした。涼子を縛っていた桜川家も無に帰したのです。そんな消えてしまったもののために、涼子は法律へ歩む道を捨てていたのです。寅子やよねが力をもらった憲法は、涼子にとっては皮肉な運命そのものともいえます。
ここまで、涼子には夫も、子の影も見えません。もしも見えていれば、また違った道ではあったのでしょうが。
玉の覚悟
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