『カムカムエヴリバディ』第74回 ミスコンってよかったよなあ
舞台は昭和58年(1983年)、3代目ヒロインひなたは、高校3年生になりました。家業の回転焼きすら作れない無能ですし、受験勉強も就職活動もしていません。で、思いついたままミスコンに出ると言い出します。
和田義盛か、大月ひなたか?
大河『鎌倉殿の13人』をみていると、和田義盛がいろいろ不足していて精神的に打撃を受けます。あれは彼の史実を反映しているし、かわいいのでまあ、仕方ない。
しかし大月ひなたはね……もうね。
乱世じゃなくてよかったな。乱世なら……そう毒づきたくなるほど無能でムカつくんですよ。この年齢の女性にこうもイライラするって私でもさすがにない。でもこいつが実在していたら、1965年生まれの世代でしょう。今だいたい55くらいの世代と思うとまるで容赦したいという気持ちになれないんですよ。
要するに「ミスコンはよかったなあ」
平成末から令和は、ミスコンが終わりゆく時代です。
ボディポジティブの流れもある。ルッキズムなんてわけのわかんねー概念も出てくる。
ミスコンを廃止し、新たなコンテストを設立した上智大。学生たちの迷い「100点ではない」 https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5ff4247cc5b6fd331110b40e
そういうのが嫌なおじさん世代もいるわけです。ビールのポスターはビキニ。F1にはレースクィーン。格闘技にはラウンドガール。そういうかわいい女の子の仕事をフェミどもが奪ってんじゃねえか! んで、三次元から二次元に向かい、宇崎ちゃんの献血ポスターの話、アツギタイツやら何やらでカーッと盛り上がる流れですね。
昔から絵だってあまりにどぎついものはストップがかかり、修正されたりしていたもんですが。ま、んなことどうでもいいのよ。
このドラマは、こういううるせえ女のせいで生きづらくなったと思っている、そんなおじさまと名誉おじさまにほっと息をつかせる役割があるんでしょう。
そうだそうだ、俺らの世代はミスコンで盛り上がってたじゃねえか。それで世の中うまくいってたんだ! 景気動向とフェミニズムの関連性を誤解していて、自分達の責任を回避し転嫁したい。そういうひなた世代を気持ちよくする仕掛けは随所にあるのでしょう。
『おかえりモネ』みたいな世界は嫌いなんだ。若い女が難しい資格を取ったり、テレビスターの座を捨てたり。医者の妻になることを目指していなかったり。研究者になりたいと思っていたり。そんな女どもはかわいくねえ! 俺らにミスコンを目指しているような、頭空っぽでかわいい女を供給しろ! 受信料を俺らの接待に使いやがれ! そんな声が聞こえる気がしますよ。
んで、こういうおじさまが世の中なんだかんだで回しているモンだから、新聞なり大手メディアは無理矢理にでもこのドラマを持ち上げると。おじさま向け週刊誌はもう下手ほめよ。おばさん向け週刊誌が韓流特集を組む一方で、おじさん向けはこのドラマが大好きなのよ。
よかったね。
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