『虎に翼』第65回 それぞれのしあわせ

 昭和24年(1949年)春、家長である大庭徹男を失った“御家騒動”は決着しました。江戸川乱歩と、その弟子の山田風太郎が参考にしそうな事件かもしれませんね。
 

自分が幸せじゃなきゃ


 寅子は業務に忙殺されており、多岐川から無茶振りをやらされています。竹もとで梅子と花江とあんみつを囲んでいたのに,仕事場から呼び出されてしまいました。
 これで梅子と花江は二人きりに。梅子はしみじみと、人生黄金時代が女子部時代にしたくないからと、前向きな決断をしたといいます。花江は毒饅頭を作った思い出を話します。花江はあのときと同じ気持ちだと言います。私だけ変わっていないと。
「話なら聞くけど?」
 そう優しく尋ねる梅子。大庭家はどうしてこんな女性を邪険に扱ったのか。梅子不在で一家崩壊する未来が見えるようではあります。
 花江は寅子のラジオを聞いたあと、直人に言われました。道男と一緒になっていいと。道男は恋することで母が変わると思ったのでしょうね。花江は道男が好きなんだろうと問われ、そんなわけないと笑い飛ばします。しかし直人は道男がくると嬉しそうだと言います。それはなんと、道男が来ると夢に直道が出てくるのだとか。嫉妬じゃないかと笑う花江。
 直明は、直人はずっと道男と花江のことを心配していたんだとか。直人は母に幸せになって欲しかったのです。大庭家のバカ息子ども(もうバカをつけていいだろう)とは大違いだ。でもあのバカ息子その三もこのくらいの年齢では素直だったっけ。
 花江は気付きました。義母の死後、疲れてイライラした顔を息子たちに見せていたのだと。そのことを深く反省します。
「いい母になんてならなくていいと思う。自分が幸せじゃなきゃ、誰も幸せになんてできないのよ、きっと」
 そう梅子が語ると、重いですね。

人助けが大好きな佐田寅子

ここから先は

2,272字

朝ドラメモ

¥300 / 月 初月無料

朝ドラについてメモ。

よろしければご支援よろしくお願いします。ライターとして、あなたの力が必要です!