『おちょやん』63 母の実像

 一平を母に会わせなあかん。そう張り切った千代による、強引な再会劇が始まります。大阪で劇団の仲間は驚いております。一方、千之助は約束を破ったと内心で初代に詫びています。
 先代は、口止めしとったのです。

嵐山にある旅館・夕凪の女将

 千代はカフェー・キネマで聞き取り調査。常連の証言がおもろい。芸子遊びできひんからカフェーに来とるという本音も出てくる。今朝もギリギリやな……。
「なんや『鬼滅の刃』の遊郭がどうこう言うとるわけやないですか。NHK朝ドラも負けてられへんわけよ」
 みたいなこと思ってへん? ほんまにおっとろしいことするわ。
 芸子遊びできひん客に、一平が母の思い出話をします。男の名前は「原一平」でして(駄洒落かい!)、その繋がりで思い出したのです。
 嵐山にある旅館・夕凪の女将から聞いたのだと。やったで、見つけた!
 千代がカフェーのみんなにお礼を言います。とりあえずなんとかなりました。

 一平はカフェーの前でウイスキーを飲みつつ、母とのことを思い出しています。ウイスキーなぁ。『マッサン』で語られたあのウイスキーですな。これも一平らしい陰キャぽさを感じる。わーっと他の連中みたいにビールを飲んでない。千之助と一平は、一人酒が好きな似た者同士かもしれませんね。年代の差で、千之助は日本酒、一平はウイスキーであると。
 一平の思い出の中にいる母は、水平線のようにまっすぐていて欲しいと語りかけてくる存在でした。
 そんな母の願いがあるのに、役者になってしまった。許してもらえるやろか。そう千代相手に語ってしまう一平。
 そんな弱気を聞いてもらった千代に「おおきに」と声をかける一平。千代は戸惑いつつ、「アホ」と返すのでした。

母が父と子を捨てていた

 翌朝、二人は夕凪に向かいます。ここでお上が上客らしい男性を見送っていますが……。
 楽しませてもろた。
 次はもっとええ子を用意しとく。
 これ、ただの旅館やのうて置き屋兼ちゃいますの? 置き屋はまあ、各人調べてください。あとここの「夕凪」の看板が、Illustratorだけに頼るんやのうてちゃんと小道具さんが書いてる感があってええな。懐に金一封を仕舞う女将の所作も素敵。
 これが夕です。けれども、夕は母と子の再会に喜んでおりません。

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2020年度下半期NHK大阪朝の連続テレビ小説『おちょやん』をレビューするで!週刊や!(前身はこちら https://asadrama.com/

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