『戦国無双5』に弥助が参戦したぞ!
『戦国無双5』に弥助が参戦しました。
ゲームそのものを長いこと遊んでおりませんが、これは買おうかと思っております。『麒麟がくる』と必然か、偶然か、重なるような設定。しかもコラボ衣装あり。かなり2020年代を意識してアップデートされており、これは遊んでみたいと思わせるのです。
ストーリーがタイトになった
戦国時代ならやっぱり真田幸村を出したい! そういう初代以降のコンセプトは理解できるのですが。彼って戦国最後の大坂の陣がメインなので、実は扱いにくい。あれほど知名度が高いにも関わらず、なかなか大河ドラマ主人公にならなかった理由も、そのあたりかと思います。
それを三英傑周辺に絞り込むことで、ストーリーがタイトになったとは思います。伊達政宗あたりは強引さがあったわけですし。知名度よりも、ストーリー重視にしたところは是非とも味わってみたい。
ちなみに弥助参戦したことで、三浦按針参戦希望の声も海外ではあるようです。三浦按針は活躍時期が遅く、関ヶ原前夜あたりからでないと出せない。そういう時期の問題で、彼は出せません。石田三成がお休みになるのと同じ理由ですね。
三国も、晋によって時代の幅を広げ過ぎちゃった感はちょっとあるかも。個人的にはそろそろ趙氏貞参戦があるかな、と思っていたりします。
和風のデザインがよい
デザインで一番すごいと思ったのは、斎藤利三かもしれない。このモブに埋没しそうなギリギリさがたまらない! 顔まで地味。美形だけど地味です。
これは今のトレンドかもしれないと思うところ。日本人にとって美形って、今ではとっくに死語となったソース顔、いかにコーカソイドに近いか、そこを求められる傾向があったと思います。これは払拭されず、ハーフ顔なんていう差別的な物言いもあるほどでして。
どんなに美形でも、しょうゆ顔だけで地味だのなんだの言われる。『麒麟がくる』のとき、長谷川博己さんがそういうことを揶揄されて、ご本人まで眞島秀和さんと居酒屋にいても地味で気づかれないと明るく語られていて、私は居た堪れないものを感じました。そういうことでどうする! いや、長谷川さんを責めているわけじゃないのです。アジア的な美形を一段低く見る傾向をなんとかして欲しい……これは世界的な流れでもあって、アジア系が注目を集める中、筆で描いたような容貌の素晴らしさが見出されつつあるのです。
そんな中、特に新規参戦組は、東洋の美形ぽくて大変素晴らしいと思いました!
筆のタッチを活かしたスクリーンショット。甲冑の良さを出してきたデザインも素晴らしい。無理に西洋ぽくする必要は別になくて、東洋のそのままを活かしてカッコよくすることはできる。そういうことをアジア圏のゲーム会社ではどんどんするようになっていて、日本もそうなって欲しいと思っていたところです。かつては東洋らしい袖や袴がうまく再現できず、3D版『サムライスピリッツ』なんて相当苦労のあとがありましたが、今は技術が進歩してそこもクリアできると。
女性キャラクターは露出が下がりました。よい傾向だと思います。フェミガーとかそういうこと以前に、特に海外からは「日本のアクションゲームにある、戦えそうにない女性コスチュームは何?」と突っ込まれる。今回は戦えるし、セクシーだし、健康的だし、よい範囲でおさめてきたと思えます。瀬名が気になる!
リニューアルされた全員よいと思います。もうみんな言い尽くしたと思うので、家康はさておき。義元もやっとこうなったのか、と感慨深いものがあります。
人選がシブい
海外の毛利ファンの方は、中国勢が多いことを喜んでおりました。山中鹿介はよい人選だと思います。これまた真田幸村ほどではないにせよ、知名度が高い人気武将。ようやく来たのかと感慨深いものがあります。
それにしても中村一氏や百地三太夫参戦は誰が予想できたというのか。三傑全員に忍者をつけるのか? 忍者大増員! これも海外市場向けですかね。やはり忍者は熱い。
忍者は人気のみならず、アクションとしても使い所がおいしい。モーションキャプチャーでバンバンすごい動きを見せるんでしょうね。期待しています!
そして弥助!
弥助はなかなか大変だと思う。どうしたって現在の日本人は、黒人というとアメリカその他の国をイメージしてしまう。ラッパーとか、ストリートぽいとか。そういうことを意識しちゃうこともあり、弥助にそれが反映されることもあるのです。
けれども言うまでもなく、時代考証としてはおかしい。イベリア半島の影響を受けていることはあるにしても、現代アメリカの影響があったらいけない。
その点、このデザインは弥助の“祖国”と和風を組み合わせていると思えます。色彩感覚も、他のデザインとはちょっとちがう。かなり秀逸だと思います。
弥助参戦で、海外はかなり盛り上がって画期的なこととされています。ただ……。
弥助の声優問題はそもそも存在するのか?
海外では、弥助の声優がパディ・ライアンさんであることに対して、「どうして白人なの?」という疑念はあるようです。これは日本の声優人種構成の問題ではあると思います。これは絶対に指摘されるとは思ったんですね。
たとえば『モアナと伝説の海』では、ハワイ出身の声優が主演を務めています。ロック様ことドウェイン・ジョンソンもサモア系。そんな人種配慮があって当然とされつつありますが、日本ですとアフリカ系の声優がいないからには、仕方ないとは思います。
英語版の声優がアフリカ系であれば、この批判はおさまると思う。となると、弥助以外は英語圏のアジア系声優を使うべきなのか? となるとこれまた話がややこしくなるとは思います。
この声優問題を早速【悲報】だのなんだのつけてまとめ記事にするとか。アニメキャラアイコンでこんなことを言っているアカウントもあるようですが。
「ほらみろ! ポリコレどもの話を聞いていたらキリがない!」
「もうゲームに黒人キャラ出せないねwww」
そういう話じゃない。別に、このことを疑念を感じた人は「けしからんから発売禁止だ!」とまでは言っていません。どうせなら、白人でない方がよかった程度でしょうし、これでコーエーテクモさんが批判される筋合いは別にないと思います。
批判に対して、もうちょっと柔軟な姿勢を持てないのか? 私はむしろそこが残念でならない。
アニメ版『ゴールデンカムイ』では、アイヌ語しか話さないフチは、アイヌの方が声優をつとめてもよいのではないかという指摘がありました。とはいえあくまでこれは要望であり、そうでないから放送禁止だと息巻いているわけでもありません。
それにあの作品は、作画やプロットの端折り方は結構批判されていますよね。そういうオタクコードでの批判は結構厳しいことを言うし、受け入れるのに、こういう配慮的なものに対しては「余計なお世話だ!」という反発になるのはどうしたものなのでしょう?
オタクというか、ゲームやアニメ愛好者は、ともかく真面目な批評があると過剰反応をします。何もえっちな二次元は焚書にすべきとか、愛好者は坑オタクにすべきとか、そういうことは言っていない。当たり前です、今は21世紀です。それなのに拡大解釈して、すぐに「ポリコレ棒で殴りにくるぅぅぅうw」と遊んでいては、むしろ機会を狭めるだけだと気づけないものなのかと思います。
弥助声優の件は、英語版でアフリカ系声優を使えばそれでおしまい。そうではありませんか? 私はそう解釈しています。声優のことよりも、弥助が参戦したことがともかく素晴らしいと私は主張したい!
弥助につきましては、海外の文献が参考になります。どれほど弥助が勇気を与え、ロマンをかきたてるのか? それを知れば知るほど、大英断であり素晴らしいことだと思えます。これは海外のファンもますます増えることでしょう。そういう意識があるとわかって、私はほんとうにうれしいと思えるのです。
というわけで、もう声優の話を大仰にいって、殴られてもいないのに「ポリコレ棒ガー!」とか騒ぐのはやめましょうね。そういうの、もういいから。
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