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『おかえりモネ』第97回 気仙沼を気象情報で盛り上げる!…できるかな?

 奈津は旅立つモネに餞別を差し出してきます。そこにあったのは、モネと菅波を描いた絵でした。そういえば描いていましたっけ。

それでも前に進んでいる

 そしてもう一枚、宇多川が昔描いた絵を、新しい職場に飾るよう渡してきました。自分の絵を見られたくなかった宇多川。彼は物音を立てて別れを惜しみます。出ては来られません。今はこれが精一杯。
「これでも私たちは前に進んでいると思う」
 モネは奈津に、「そこにいてくれるだけでいい」と言ってくれたことを感謝し、おじいさんとおばあさんにも、そして宇多川にもお礼を言うのでした。荷物を引っ越し屋さんに渡すと明日美がここで言っています。こういう友達がいてくれてよかったね。
「いってらっしゃい」
「いってきます」
 そう旅立つモネでした。
 時は2019年(令和元年)11月――橋を渡ってモネは故郷へ向かいます。これがその当時、この場面がラストで終わっていたら、ハッピーエンドであったのでしょうが。

帰ってきたね、これからだね

 モネが家に行くと、母も祖父もおらず、コタツがあるのが見えます。そうそう、宮城ならコタツだべ。
「おかえり、モネ」
 亜哉子がここで顔を出します。なんでも牡蠣棚のことでおじいちゃんと揉めたって。まあいつものことだそうです。これから漁業に行かなきゃならないから、冷蔵庫にサンマが入っていると言います。モネが仏壇で手を合わせていると、祖母の声がこう言います。
 ああ、帰ってきたね。これからだね――。
 
 モネは海の街自然プラザという、絶妙なまでに東北地方自治体ぽい名前と名称の建物へ向かいます。悠人が案内します。
 観光案内所、図書館、カフェ、ミーティング。そんなこともできる場所です。何からなにまで東北地方自治体あるあるだべな。この建物の雰囲気とか。悠人はここと市役所を行ったり来たりしているそうです。
 なんでも新たな課ができた。「はまらいん課」! みんなで一緒にやろう! そういう取り組みです。
 ここで悠人の上司の遠藤克敏課長が出てきます。この茶髪、髪型、メガネ、雰囲気、本人は標準語で喋っているつもりだけどなまっている。南東北のおっさんあるあるで、あまりに生々しくてギョッとする。出身地だけに宮城弁が自然。標準語のつもりで訛っている言葉がそのまんまで、もう地元感が半端ない。
 遠藤はあのテレビの人だと大喜び。あのコサメちゃんは気仙沼のヨシキリザメだと確信しています。フカヒレにするやつね。そうそう、フカヒレ日本一って実は気仙沼でして。フカヒレといれば中華料理。隣国に輸出すれば売れるので、昔から輸出していました。それを今は地産地消!
 でも、その設定だとコサメちゃんは食べられるのか……そうか。モネも若干の困惑はあるようだ。

なんで戻って来ちゃったの?

 そして遠藤はこうきた。
「なんで戻って来ちゃったの?」
「ああ、それは……いまからご説明します」
 戸惑うモネ。まあ、モネは変人だべな。明日美も指摘していたけど、遠藤や耕治世代なら全国でテレビに出るなんて究極の勝ち組で。めんこい顔してるし、エリート医者とおつきあいしているし。東京でその妻になったら、ちょっとしたセレブだべした。それをしねえってどういうこどなの?

 モネは「あなたのまちの気象予報士」プレゼンをします。いろいろな課で役立つけど、まずは観光! けあらし観光ツアーのアピールをします。美しくオーロラみたいなもので、見られるとは限らないけど、気象予報士ならある程度予測できる! 遠藤は予測が外れることもあるのなら地方自治体ではできないと言います。まあ、そうなるべな。
 遠藤は街が変わったことをアピールします。がんばってます! 街も人も、みんな新しいことにチャレンジしている。実に頼もしい!
 そう言っていると、大学生の水野一花がいます。モネのファンだと明るく笑顔を見せてきます。大学でまちづくりを学んで移住したってよ。大学生ボランティアがこうして被災地を支えています。

はまらいん気仙沼で役立つ情報を

 ここでラジオが流れてきます。はまらいん気仙沼です。災害FMとして震災以来始まったもの。市民が立ち上げたのです。あの震災で流されたあと、人々を励ますために作ったもの。東北各地にあって、存続しているものもそうでないものもあるのです。そのブースにモネたちは向かいます。
 録音した番組を流し、AIアナウンサーのシマノミドリが自動取得した気象情報を流しているとか。でた、地方自治体のゆるキャラだ。モネは目を輝かせて、ここで地域特化型気象情報を流したいと遠藤に言います。遠藤はそれだとコサメちゃんが使えないと戸惑っています。いや、コサメちゃんはいいから。

 こうしてボランティアでモネがラジオを担当することになりました。そのことを家で母と妹に話しています。耕治は最近仙台によく出張しているそうです。羽根を伸ばしているんじゃないの、そう未知が突っ込むと、伸ばしたら畳ませると亜哉子は返すのでした。

 そしてモネのお仕事です。あの震災でラジオを立ち上げた小山が指導しています。頑張って作ったものをなくしたくない思いで小山たちは続けて来ました。天気予報は助かると言われます。
 モネはこうして、天気予報を中心にした役立つ情報を伝えていくラジオ放送を始めたのでした。
 いい話だな〜……と思います? モネはあくまでボランティア。安西はこれをどう思うのでしょうか?

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