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『ちむどんどん』第51回 ジェンダーで広告炎上

 アッラ・フォンターナで着々と実力を伸ばす暢子です。とはいえ、入院中の二ツ橋の代理としてシェフ代行は早すぎる?

「女のくせに!」とは言わないが

 今週のテーマはジェンダー。
 良子が仕事に復帰する時、障害となるのは夫のわけさ。那覇の保守的な親説得ができない。できないなら離婚! そう強硬に焚き付ける良子。良子と博夫はかなりわかりやすい造形にされているとは思えます。

 そして暢子の周囲は、オーナーの親族枠だと言われている。ハッキリ口にはしないのに、苛立つ表情から「女のくせに!」とわかるのがすごい。矢作はモロにそうだし、「暢子ちゃん」呼ばわりのスタッフもそう。喧嘩を止めに行って店の代表だと暢子が名乗った時の相手の表情よ。
 房子が和服を着て、落ち着いた物腰である意味もわかる。あの和服は鎧だ。ああいう権威を身につけないと、所詮は「おばちゃん」としてあしらわれるんでしょうね。
 不在のオーナーの偉大さもわかる。そんな構成が光ります。

昭和のジェンダー広告炎上

 今回の広告をめぐるやりとりは、1975年「私作る人、僕食べる人」がモチーフでしょう。

 これもおかしな話で、例えばの話、戦国武将は結構自分で食事を作っている。室町幕府末期世代の幕臣代表格・細川幽斎なんか「自分で料理しておもてなしできない人ってどうよ? 情けなくない?」と料理を教養扱いしています。
 中国では男性が料理をちゃちゃっと作ることがステータスシンボルですね。トンポーロー伝説もあるし。

 なんで食事を女性だけが作るという前提か? これは話が長くなるからすっ飛ばすけど。

 これをみて、「広告炎上は昔からだなあ」と若い世代に喚起することが狙いだと思います。

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