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『らんまん』第124回 関東大震災のあと

 関東大震災に襲われ、渋谷へ逃げる万太郎一家です。

皆、無事か?

 このドラマはナレーションの使い方がうまい。当時の映像を使いつつ、落ち着いたナレーションを重ねると説明としてうまくまとまります。尺が短い朝ドラならばこうでないと。大河ドラマよりも大震災描写がしっかりしています。VFXを駆使すればいいわけでもない。技術でなくて志の問題でしょうね。

 渋谷は震災そのものも、火災も、被害が少ない。実際の牧野富太郎は、渋谷あたりにいて揺れを楽しんでいたとか。ドラマの万太郎一行は、荒谷に出迎えられます。山桃も無事でした。こうした偶然と幸運が重なって、渋谷が発展していくわけですね。ここで荒谷のあの握り飯を食べて、一安心となります。こういう味の使い方がうまいドラマです。家からなんとか持ち出した写真だけでなく、味も思い出があります。

 震災描写としてはうまいし、近年のNHKドラマでも上位に入ります。ただ、ちょっと汚しが足りないのは気になるところ。もっとボロボロでもよいかなと。そしてこれをいっては何だけれども、これだけの人数で犠牲者が出ない一家というのは相当幸運には思えます。
 そしてここで、荒谷が「命懸けで枯草運んでくるなんて」というあたりがこのドラマらしい。万太郎はそういう人だったなと。そしてここで戻ると言い出すのも、ある意味万太郎の頑固さかもしれない。周囲は止めます。被災者を目にした荒谷は止め、まだ再会できない家族のことを思い暗い顔になります。

震災から四日目

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