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『おかえりモネ』第6回 霧はいつか晴れます

 伊達政宗の時代から続く登米能が、無事終わります。

笑う門には福来る?

 モネも打ち上げではラフターヨガを披露。ラフターって笑いってことですね。サヤカはモネの祖父・龍己と電話ではなしています。
 モネは素直でいい子。音楽が好きで得意。でも高校生のころから大人しくなってしまった。そして卒業後、島を離れると言い出したのでした。別に家族が嫌いになったわけではないというけれど。
 やはりこれは震災の影響もあるのでしょう。モネのような被災者だって当然つらい。もっとひどい人がいるから言い出せないけど、つらいもんはつらい。

 明日の朝には朝岡は帰ると言います。しかし見たいものがある。それは北上川の移流霧。モネもその霧を見ながら、気仙沼のけあらしをよく見ていたことを思い出します。海の夜明けが好きだったことも。
 そんな故郷を捨てたのはなぜか? あの日、何もできなかった。
 このドラマには幼少期がない。モネの原点は、どうしたって311になるのでしょう。あの日何を見たのか? 清原果耶さんの顔を見ていると伝わってくるような。
 津波の恐怖というのは、慣れ親しんできた景色が、海が襲ってくるもの。素直にけあらしが見られなくなったとすれば、それは悲しいことなのです。
 朝岡はそんなモネにこう言います。霧はいつか晴れます――。
 これはよい言葉かもしれない。元気出せとか、前むきになれとか、強引に言われても困るし。朝岡はモネに敬語を使う。年下の女性でもいきなり距離を詰めないところが安心できます。
 自分の知識をドヤァと見せつけないし。

雲を見て綺麗だと思うこと

 モネは心が少し変わったのか、電話に応じていない父にメールを送ります。
 私はここにいます――。
 海から離れ、山にいる決意を送るモネでした。

 モネは別れる前に、朝岡に彩雲の写真を見せます。何かいいことあるというのは本当なのかと聞いています。朝岡は「迷信ですね」とバッサリ。
 でも、雲を見て綺麗だと思えるなら、それは前向きになっているということ。そう分析してきます。うーん、心理をわかってますね。
 そして十分後、風車の方にまた彩雲が見えると言います。もし見えなかったら抗議の電話をするよう、名刺も渡してくれます。
 モネの心が、何か変わったのでした。

誠意ある朝ドラの出だし

 一週目が終わりましたが、無茶苦茶丁寧に慎重に作っていると思えます。
 朝ドラはオーディションをやめることが定番になった。作り手がこういうキャラクターにするから主演を合わせたいと願うならば、むしろ適切な方向性でしょう。

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