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『ゴールデンカムイ』#276 エビフライ

 1901年(明治34年)――勇作になりかわって金枝子とお見合いをする杉元。しかし、エビフライを前にフォークを両手に持ってしまったァー!
 菊田も焦る、さあどうなる?

面食いの花枝子が惚れる顔

 花枝子はこれをおふざけだと勘違いし、その場はおさまります。そしてここで軍帽を脱ぎます。するとそこには杉元の美しい顔が。みんな薄々気づいていますけど、杉元は美丈夫ですね。髪型を傷でかなり印象が変わったけれども。
 ちなみにアイヌの村長は、ルックスも大事だそうです。智勇があっても、イケメンでないとサブリーダー格になったとかなんとか。まあ、そりゃ、杉元はアシリパの心掴みますよね。
 ここで二人はエビフライを、エッグソースをつけて食べます。エッグソースは現代ならばタルタルソースが近いと思えばよろしいかと。先行普及済みのウスターソース系とはちがうというアピールですかね。杉元は花枝子がここによく来ると聞いて、自分との格差を考えてしまう。
 自分は猫の餌まで盗み食いしてたというのに……。
 当時は格差社会です。『鬼滅の刃』では借金のカタで、善逸が隊士になった。そういうリアルタコ部屋がある時代ですよ。

ズドンでオギャー

 かくしてお見合いは終了。杉元は退屈な男を演じたと菊田に報告します。
 花枝子は? うっとりしています。彼女は否定されないことがうれしかった。個性的なんでしょうね。そして何より顔がいい! なんでも面食いなんだって。お月女中のハマ子は、だから行き遅れると言っています。
 杉元は何回か会っただけの相手と結婚することが信じられないらしい。菊田はそういうもん、上流階級はそうだとクールにいう。
 ここで杉元は梅ちゃんと寅次のことをいう。寅次は、梅の中には佐一が一番でいるという。それなのに結婚しちゃった。そういうもんかな……そうつぶやくと、菊田は梅ちゃんの何がわかるんだコラ、クソガキと凄みます。なんか経験したんですかね。
 女は塗り替えると杉元は突き放される。そして、ふたりがいる故郷はキッパリ忘れろという。で、北海道に行くのかな。でも忘れずに取り出して思い出せともいう。杉元の梅ちゃんの思い出し方って、あんまりさわやかでもないけど。

 一方、花枝子はハマ子からヤレる雰囲気を出せばいい、イキそうになったら挟んでズドンでオギャー、そんな助言を受けています。ハマ子もなかなか。花枝子はもうやる気満々。面食いというけど、従兄弟の兄様も、クリクリのくせっ毛の田舎娘と幸せな結婚をしているとか。
 これはいご草ちゃんでしょうか。彼女は生きていると。

本当に旗手になりたいのか?

 杉元は食堂で菊田に愚痴ります。嫉妬です。東京もんは金さえあればうまいもんが食える。これは神奈川の杉元以上に、第七師団の連中が痛感する話かも。
 明治期の北海道は米もとれねえ、味噌もねえ! 餓死者も出る。そうやって死ぬ気で開拓したら、東京の上流階級が避暑地リゾート別荘のために土地を買い漁る。そういういやな歴史がある。星亮一氏と一坂太郎氏は、共著で北海道開拓で大河をやるべきだと語っていました。その通りだと思います。朝ドラ『なつぞら』もよかったけど、まだ足りない。そこをやらなくちゃ!
 
 そして杉元は、そもそも勇作は連隊旗手志願なのか気にしちゃう。エビフライ食べたいかもしれないじゃないか。菊田は余計なお世話は考えなくていいと言います。
 しかし杉元は、勇作を呼び出してしまう。杉元は戦争など起こらないとたかをくくって志願しているのではないかと言い出す。でも勇作は、父の信念を理解しているし、戦争も近いとわかっているといいます。ノブレス・オブリージュだ。
 でも勇作は鯉登とはちがう。鯉登家は両親ともに鹿児島出身で、薩摩隼人らしさがあり、示現流が使えるし、殺人への罪悪感もない。
 杉元はさらに聞きたいけれども、勇作は彼の軍帽が菊田のものだと疑います。杉元は譲られたというものの、日清戦争で病死した弟さんのものだそうです。それをゆずるわけはない。
 杉元は去るとき、軍帽を落とします。拾ったのは鶴見で、月島、尾形、宇佐美がそこにいたのでした。

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『ゴールデンカムイ』アニメ、本誌、単行本感想をまとめました。無料分が長いので投げ銭感覚でどうぞ。武将ジャパンに掲載していました。歴史ネタでより楽しめることをめざします。

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