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『おかえりモネ』第96回 島に帰るのも、帰らないのも

 モネは家族に手紙を書きます。亜哉子はそれを読んでいます。
 役立ちたい思いはあるけど、それよりも、そばにいたい――そんな思いを抱えて、モネは亀島に帰ってきます。

おかえり、モネ

 永浦家では、耕治が掃除機を持ってウロウロしています。モネの部屋を片付けるんだってよ。もの動かされるのは嫌がられるんじゃないかとたしなめられておりますが。
 亜哉子がモネからの手紙を読んだかというと、龍己もニヤニヤしてしまう。耕治をさそって一杯やろうと言い出す。父子で酒を飲みつつ、帰ってくることを言い合っている。東京であのいけすかない医者(菅波)とうまくやってると思ったけど。そう父の本音を出す耕治。
 ここの、うれしい気持ちがジワジワと滲むようなところが東北らしくて。雪がとけるようにゆっくりと、じわじわと、喜びが広がる。このテンポがいいんだね。
 みーちゃんはどうかと聞かれると、未知はちゃんと話したし、帰ってくるように言ってあるといいます。なんかこういう演歌があったよな。そう振り返りつつ、モネを出迎えることがうれしい永浦家のみなさまでした。

いってらっしゃい、永浦さん

 東京のJテレでは重大発表です。
 来年の1月夕方5時仙台放送局『夕方ホット』メインキャスターに神野が栄転すると高村が発表します。やった! 晴れがましい顔の神野です。
 そしてモネは最終日を迎えると。チームは内田がメインになります。朝岡の後継者を狙っているのかと言われても、内田本人はマイペースでのほほんとしていて、むしろ二人に置いていかれたみたいだとかわいらしく言ってしまいます。菅波が目立つけれども、内田も本作が提案するイマドキの男子でして。女を見下さないし、マイペースだし、ギラギラしていません。モネから明日美のことを頼まれると、照れることなく請け負います。こういうとき彼女を貶すことがないのもいいですね。「愚妻」「うちのカカア」なんてもう古いのよ。

 モネがウェザーエキスパーツに戻ると、安西と野坂がコサメちゃんと傘イルカとともにで迎えます。新しく作るから、古いのはモネに贈呈するそうですよ。モネが感謝を伝えると、安西は基本給で新規開拓させる自分が鬼かもしれないと言います。なるほど、手堅い描写かも。極端に運がいいというのともちょっとちがう。
 健闘を祈られつつ、朝岡はいないのかと言われます。朝岡とモネは既に会っていました。朝岡はいつかまた同じ仕事をすると確信しています。同じ空の下ですから――そう力強く言っていました。

いいんだよ、すーちゃん

 モネは帰宅し、引っ越し準備をしています。明日美はご機嫌ななめ。半休をとったのに、内田は大学教授から電話を受けて行ってしまった! なんでも洋上水力発電のことで相談を受けたそうです。明日美としても内田をプロデュースしていて、もっと風力で突っ込んでいけと背中を押しているので、そこはいいけど、デートがないのは複雑!
 そんな明日美は缶チューハイを片手にモネに話しかけてくると。酔っ払った演技が素敵ですね。モネはそんなすーちゃんと内田の仲の良さを微笑ましく見守っています。
「はあもう明日か」
 明日美はモネが去ることをやっとここで言い出します。電話で話そうとはいうものの、寂しいものはさみしい。それに明日美は信じられないこともあるのです。
 モネも、三生も、なんで地元に戻るのかと。そもそも先生のプロポーズ保留の時点で信じられないって。
 フツー東京に来たら、そっちのことばかり気にしない? なんで地元帰るの? 帰らなきゃダメ?
 そう言い出した明日美に、モネはそんなことはないと返します。別に薄情でもない。そんなこと思わなくていいのだと。
 明日美には明日美の思いはある。今好きな人のそばにいることが一番大事だと。
 モネは明日美にあらためて感謝します。まっすぐて明るいところに感謝していると。
 二人の耳には、宇多川が風呂を洗う音が聞こえてきます。あれも怖かったよね。そう笑いあう二人。宇多川は出てくるのかというと、別にこのままでいいとは思います。それも彼の人生ですし。
 モネは鉢植えを家の中に入れます。耕治の笛から芽吹き、祖母の思いが宿った鉢植えは、モネとともに島に帰るのでした。

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