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ウチの娘は彼氏ができない‼︎ 第6話 愛ってなんだろう

 漱石、あやうく事故にあいそうになります。けれどもなんとか停車。碧から漱石に電話があります。『真夏の空の夢』の企画が通ったことへの感謝でした。くるしそうな漱石の運命は?

漱石、事故じゃないけど入院です

 霞ヶ丘の交差点で40度出して動けなくなり、漱石は入院しました。小西が付き添っています。そこへ碧がすっ飛んでくるのです。碧は漱石が事故ったかと思ってしまいました。碧の髪からコウヤボウキの綿毛をとる漱石。碧はこういいます。
「きみがいなくなると困る」
「光栄です」
「そういうことじゃなくて」
 漱石は碧を押しのけます。碧は自分の人生すごいこと起きてるとはしゃぐ。そもそも風邪だと断る漱石。セクハラでもパワハラでもない。その場のノリで子いぬみたいにキスしちゃうタイプか、空気にのまれやすいのかと困惑しています。
 漱石はこの先のこととか考えているのかと問いかける。これでもバリバリの男なのに、風邪風でいたんでるけど、このあいだは空が来て事なきを得たのに、ぶりかえしてちゅうなんかしたら後戻りできない。本当に好きなのか? そう問いかける。
 碧はどうもおかしい。キスしたら好きになっちゃう。でも漱石はちがう。好きじゃないならキスしちゃだめ! 小説の恋愛観とちがうことは認められない。そんな純情漱石。とりあえず三ヶ月蓋をすると宣言します。碧はそんなに待つのかと不満そうですが、漱石は三ヶ月先に自信がないのかといいます。
 それに新刊小説がかかってる。恋愛じゃない、絶対成功させなくちゃ! かくしてそれどころじゃないと二人は決意を固めるのでした。

碧と漱石は恋をしているのか?

 サリーは俊一郎を慕っておだやで勤務中。空は漱石の発熱のことを聞いているかと問いかけます。驚くサリー。今回は綺麗に別れたとか。漱石はいつ発熱したのかと聞いてくるサリーを、歯止めのために止める空です。
 漱石は水無瀬家におります。一方、碧ははなカフェで執筆中。ちょっと碧がうらやましい。コロナのご時世っていうのもありますけど、私はあんまり外で書けないんですよ。何か忘れている気がすると呑気な碧です。漱石が哀れではあります。でも、そこも含めて好きなんでしょ?
 空は漱石に母のことを語ります。夜中に怖い夢を見たと彼に電話し、相手があわてて駆けつけると、チェーンかけてスースー寝てたこともあるとか。山の天気のように変わる心だと語られます。
 それを聞く漱石も、ちょっと心が弱ってる。サリーのことですね。俊一郎さん……と空はうっかり口にして、小型犬だと誤魔化すものの。漱石はたい焼きを食べて思い出します。そうだ、このおだやのたい焼きを食べたとき、俊一郎という名前を呼ばれてた! サリー、ファザコンだしなあ。そう暗くなる漱石に、空はデートだからおしゃれしていると言い残し、出かけてゆくのでした。

 碧はおだやで、恋をしたと酒を飲んで上機嫌。寅さんの真似をして、ファジーでグレーだのなんだの言ってます。その恋をする相手を待たせているあたりに、碧のダメダメさが滲んでいてすごい。それは恋なのか? 恋をしたら、相手のことを考えて、困らせないのが恋じゃないのか? まあ、碧だもんね。
 そして今日は水曜日だと思い出す。漱石がくる! やっと気づいて帰ると漱石はもうメモを残していなくなってるのです。
 デートを終えた空がシュークリームを土産に帰ってくると、碧はベッドの上で食べ始めます。ここで母と娘の性格の違いが出てくる。
 空は紅茶をいれて、ベッド以外で食べる。でも碧はお構いなしにむしゃむしゃ。逆ですね。そして衝動的に、空は離さないと抱きつくのです。毒親! ブルブルブルドッグ! そうじゃれあうのでした。
 空は渉先生とのデートを満喫中! 気持ちが溢れ出すもうたまらない! この点も母と娘でおおちがいだわ。娘は二十四時間相手のことを考えている。だからなのか、碧は渉先生と結婚したら母ちゃんは一人と寂しがる。好きになったら母ちゃんのことなんて忘れちゃうよ。そう甘える。そこで空はこう返すのです。
「忘れないよ、私は母ちゃんを忘れないよ、いつだって」

母ちゃん、遠くに行くなよ

 空は思いがあった。そう言わないと母ちゃんが遠くに行ってしまう気がした――そうカフェで語っている相手は光なのです。そのついでに、相思相愛である渉とのこともしゃべっちゃう。光は、俺は寝てもそんなにドキドキしたことないとそっけないのです。空は渉先生ともこれからそういうことあるのかな、とさらっといってしまう。そうなったら入野に相談するとも。困惑する光ですが、水無瀬には漫画を描いてもらうからと返します。
 空はジャンプを目指してるってよ。持ち込みするって。水無瀬碧の娘だから才能あるかも! 血とか遺伝子とかあると語り出します。でも、Oの母からABの娘が生まれるのはおかしいのです。
 不穏になってきました。いろいろな意味で不穏だ。というのも、空はこんな寝ることについて渉とあけっぴろげに語っているのかどうか。心を開いているという点では、断然光でしょうに。おかしいのは、母と娘の関係だけじゃない。
 光もえらいやつなので、おだやでビール飲みつつ、なんとなく碧の血液型の話に持っていくのです。ゴンちゃんはO型とサラッと言ってしまう。占いか何かだと気にしていないようですが。

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『ウチの娘は彼氏ができない』のレビューです。レビュアー・武者震之助名義で、『半分,青い。』レビューにおいて北川悦吏子氏より好評をいただいております!ゆえに、公式解釈に近いんじゃないかな、と思います。

『ウチの娘は彼氏ができない』のレビューです。レビュアー・武者震之助名義で、『半分,青い。』レビューにおいて北川悦吏子氏より好評をいただいて…

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