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『ちむどんどん』第97回 おめでたには、おめでとうと言いたい

 ちむどんどん開店前夜、どうやら暢子はおめでたのようです。

おめでとう、ちむどんどんする!……だけでもない

 そう妊娠を喜ぶ若夫婦が素晴らしい。とても爽やかで幸せそうで、朝からこういうのはいいと思うんですよ。が、房子は開店延期を通告します。
 流産や死産したらどうするのか。そんな房子なりの気遣いなのでしょう。房子は不器用で口数も少なく、誤解を招きやすいのでこういう言動になる。不安や懸念まで伝えられたらいいのだけれども、これも房子の味か。

 そこで優子に電話で報告し、相談する暢子。ここでしみじみつくづく思ったのですが、仲間由紀恵さんの話し方。ゆったりとした中年女性になっていてとても優しい。あたたかい。沖縄の言葉も話せて素敵ですよね。細かい言い回しまで含めて、とてもゆったりしている。演技の幅がグッと広まりました。

 そしてここで、菩薩のような優子の欠点も。我が子のすることはなんでも応援してしまうこと。これが暢子だったらよいにせよ、賢秀は悪い。ブースターの役目を果たす母親なのだけれども、その良し悪しがあると。

良子の食育奮闘記

 そんな優子の娘と思えないと給食調理員を悩ませるのが、良子です。良子は優等生で合理的で賢いけれど、細かい末端の心情、しがらみなんかを無視して進めてしまうんですね。
 地元の食材を給食に出す。それで郷土愛や特色を育むことは、先進的な教育を先取りしていて素晴らしい。けれども、面倒な人間関係の調整もいるわけで。良子は全然それができない。
 となると、潤滑剤である優子かなと。調理員たちも「裕子の娘がなんでこうなの?」と困っているわけで。

智は詩子の歌が好きで、歌子はそんな智が好き

 さて、智はいろいろあったけれども皆に受け入れられているわけでして。沖縄と東京を往復する生活です。
 智は偉いし、すごいわけよ。あんな貧しい家に生まれて学校もろくに出ていないのに、こんなに立派に忙しく働いていて。
 そして歌子はそんな智に、民謡のレコードを出したいとおずおずと打ち明けます。もう歌子はかわいいからこれで十分さ、あとはどうでもいい。
 もう智はこんな歌子を応援していこうよ。それでいい。歌子が出てくるとほんと朝から全てがどうでもよくなる。かわいいから何もかも許せると思える。歌子は癒しです。

重子は察知する

 そして重子に報告に行くと、暢子がフォンターナをやめたことだけでなく、和彦の退職経緯も知られておりまして。それも賢秀のせいとなれば、案の定、離婚してくれと重子は言ってくるのでした。
 しーちゃん、なぜ……って、そうなるわな。

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