『ちむどんどん』第79回 住む世界が違う?

 和彦と結婚するために、将来の義母である重子においしい沖縄料理を食べさせたい暢子。しかし、謎の物音があまゆの一階から響き……。

賢秀の便利さよ

 案の定、賢秀やさー。やらかしをリストにします。

・料理を食い散らかす
・酒を持ってこいとわめく
・しかも暢子の名を呼ぶ
・荒れているのは競馬で負けたから
・重子を「おばさん」と呼び、シッシッと追い払う

 昭和の競馬場にいそうなおっさん。そのあくどさを煮しめたような姿でした。
 賢秀は“昭和の悪しき人物像”をスッキリさっぱり短時間で表現する、とても便利な人物です。こういう役も必要だ。
 
 それでも暢子はお金まで渡してこのにーにーを追い払う。えらいな。良子は叱りつけるそうですが。
 このドラマの上手いところは、相性の良い配偶者候補が見えてくるところで。賢秀は叱ってくれる相手じゃないと野垂れ死よ。つまり、清恵しかいない。

重子の世界

 重子の人生も、だんだんとみえてきた。和彦は進歩的な思想を父から引き継いだ。女性にも働いて欲しい。しかし、そういう価値観は専業主婦が正しいとされてきた重子みたいな人からすれば、人生の否定のように思える。
 重子は良妻賢母のみが正解ルートと叩き込まれて育ってきた。そうなったはずが、たった一人の我が子に全否定される。
 これが重子の世界。確かに暢子とは違う。

 でも、繋がった世界でもある。それは波子。波子は暢子のお弁当をおいしく食べて、重子にお礼を言う。
 重子の世界は昭和にあった良妻賢母の世界であり、朝ドラもそれに縛られてきました。

息子を取られたくない母

 重子は和彦を取られたくないという。それは別に恋人としたいわけでなくて、同じ世界にとどめておきたいのでしょう。良妻賢母である自分を肯定する相手であって欲しいと。
 そういう意味では、田良島のセリフは巧妙な伏線でしたね。

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