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『カムカムエヴリバディ』第18回 玉音放送前後

 空襲で祖母と母を失った安子。そして昭和20年(1945年)、8月15日――玉音放送が流れます。しかし父は気が塞いで寝込んでいました。安子は父の言葉を思い出しつつ小豆を煮ます。そして父は瓦礫の中から、砂糖を見つけ出し抱き締めるのでした。

美都里はなんとかならんのか

 ご親切な方から、岡山大空襲描写が舐めすぎというご意見をいただきました。確かにそうですよね。

 さて。役名を名指しで批判するのはやめたいところですが。そうも言ってられない。もう限界だ。
 美都里、私の中では『おちょやん』のテルヲ以下やね。テルヲは当時のだめな男性像として秀逸なので、あれは必要悪。
 せやけど美都里は、存在そのものがこの世界への侮辱やろ。わざとらしい読み方。下手くそな岡山ことば。テンプレ通りのバカそのもの。ヘアメイクはお粗末。これのどこがお嬢様出身なん? 安子をいじめる意地悪姑にするために、こんなどうしようもない像をぶん投げとるだけやんか。ミソジニーが蔓延しとったらそういう像も受容されるから、そらバッチリよ!

 美都里が「戦争終わったら息子すぐに帰ってくる!」と叫んだのはバカさ加減のアピールか、何かのフラグやろなぁ。美都里は「岡山に空襲なんて来ないでしょ〜」とも言っていたし、そういうバカ予言キャラやな。よくもこんなひどい脚本を役者に渡せるもんよ。

 今日、いきなり性格変わったように親切になったのも、ただ単に脚本がぐらぐらしているだけだろうし。変わる理由がない。何もかもがご都合主義しかない。こんなの生きた人とすら思えない。概念の擬人化。

耳に悪いドラマ

 玉音放送は当時ノイズがひどいとか、言葉が難しいとか。そういう理由で聞き取れなかった人も多いと言います。山田風太郎の『戦中派不戦日記』、漫画版の『風太郎不戦日記』はこのあたりが秀逸ですのでぜひお手元に。
 そのラジオを聞いた周囲の反応がお粗末すぎて思い出したくもない。あと毎日一回、誰かが号泣せなあかんの? オイオイおいおい朝っぱらから鬱陶しいわ! 
 あとラジオがテーマっちゅうことはわかるけど。それにしたって、天気予報までハキハキ流されると鬱陶しい。耳への悪さでは近年ぶっちぎってワースト候補やろ。役者の発声もおかしいし、ナレーションもくどいし、BGMまでゴテゴテうるさい。

算太の心配しとる?

 あの美都里すら我が子のことに言及したのに、ろくに心配されていなさそうな算太。橘家にとっては息子より小豆の方が大切なんやろなぁ。しゃあないな。冷たい連中やで、ほんまに。翌日になったらスイッチ入れたように心配しだすかもしれへんけど。見落としとったらすまんな。
 小豆の場面も無茶苦茶。
 あんな乳幼児抱えた嫁が、ホイホイ実家に帰れるか? あの程度見聞きしただけで、愚鈍そうな安子に小豆を煮込むなんて芸当ができるか? いちいち嘘くさい。
 ここまで和菓子を出しても全然美味しそうに見えないあたりも悲しい。『おちょやん』の食物はいちいちおいしそうでしたよ。あのみつえのうどんときたらもう!
 砂糖発見絶叫とか、心の底からどうでもええわ……。

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