『ちむどんどん』第49回 イカスミのパスタ

 ときは1976年。アッラ・フォンターナでの修行も5年目の暢子は新メニューを考えています。一方、歌子は東京の病院で検査を受けるも、結果は原因不明。

歌子の絶望と復活

 歌子はもう思い残すことはないといい、絶望を語ります。優子はそんな我が子に手を挙げようとするも、叩けばいいと言われて抱きしめる。そしてこれから先、成功するわけでもなかろうが、生きていてよかったと思えることがある。そう諭します。
 朝ドラの原点回帰かもしれない。成功するヒロイン以外にも色々な人がいるというのは、こういう描き方だと思えるんですよね。

 そしてそのあと、イカスミジューシーを食べて、生きていてよかったと思う歌子。それはきっと、家族の愛情も確認できたからですね。
 仲間由紀恵さんの母としての演技が素晴らしいし、上白石萌歌は今日も可憐でした。ちゃんと自分でパンダを見に行こうと誘うところが素敵でした。

そしてイカスミでパスタ

 二ツ橋の方は、実家の父が回復して退職は一旦お預けに。まだオーナーの元で修行したいそうです。
 そしてこのあと試食となり、暢子のイカスミパスタを皆で食べて褒める。実際にイタリア料理にはイカスミパスタがあるんですね。地方や修行の関係上、フォンターナでは採用してなかったようだけども。

 ここで二ツ橋がイカスミの見た目を気にしながら、かえってそのギャップがいいと見出すところがおもしろい。というのも、彼は房子を理想化するあまり、自分が惨めでちっぽけで醜いと思っていた。そういうことを自白してましたからね。そんな醜い自分があの女神を愛していいのか……そんな葛藤を乗り越え、醜いからこそ味があると見出せるようになるのかもしれない。

 こういう料理の起こす奇跡こそテーマって感じだ。

房子の葛藤

 房子は愛情がむしろ深すぎるよう。復員した賢三と働いていたものの、沖縄に戻って帰ってこなくなり、それで恨んでいたそうです。
 でも、優子のような素敵な女性と結婚しているのをみて、安心したとのこと。その一方で、暢子に依存しすぎるのが怖いって。
 房子は冷たいと誤解されがちだけど、愛情が重すぎるから、突き放しているのかも。素敵な人です。

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