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『らんまん』第128回 お父ちゃんには振り回されてばかり

 次の世代に残すため――紀子は、槙野万太郎の標本整理をすると千鶴に告げます。紀子は万太郎の日記を千鶴から渡され、こう挨拶します。

「槙野博士、初めまして」

親子丼のお出汁は、お母ちゃんの味

 紀子は丁寧に、標本の分類を始めます。そんな紀子に、千鶴は親子丼を出します。これが実においしそう。紀子も喜んで食べています。これでも簡単なものだと千鶴は謙遜し、それに紀子はお昼を出してもらうだけでありがたいと返します。育児をしていた女性ならではの語り合いです。紀子は結婚指輪をしており、既婚者だとわかります。

 千鶴はどうか? 「槙野千鶴」なので、そこは気になりますよね。息子がいて、出戻りだとわかります。つまりは生き別れ、離婚ですね。ここの会話が探りつつ、お互いの境遇を聞き出すものになっています。説明セリフになっていないのに、必要な情報が手に入る秀逸な作りです。

 千鶴は離婚しても父母を看取ったから満足なのだとか。そしてお出汁は母の味。つまりはたどっていけば、あの売れっ子芸者であったおまつさんの味だ。江戸の味までわりと近いと実感できますね。

 こういう縦のつながりは大事で、『なつぞら』でもヒロイン父母の味が重要な役割を果たしていたものでした。昔と今は繋がっていると感じさせることが大事ですよね。

槙野博士の行動記録を作りましょう

 理論的な紀子は、万太郎の行動を照らし合わせつつ、標本を分類していくといいます。そしてここで地名の特定が大事だと言い出します。

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