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『ちむどんどん』第15回 女らしさってなに?

1971年、沖縄返還前年。比嘉家はつつましく暮らし、二女の暢子は高校卒業後、就職寸前。しかし、嫌味な就職先社長の息子を怒らせ、取り消しに。

熱血音楽教師につかまった歌子

歌子の話も進んでいるわけですが、貧困家庭の子が熱血教師に見出される流れが大変昭和でございます。たどっていけば『姿三四郎』あたりが原点のような気がしますけど。小動物のように可憐な歌子と、パワフルな下地の対比だけでもおもしろくて。そうか、昭和のお話ってこんなに面白いのかと改めて新鮮さを感じています。

母と娘と兄

そして暢子も、ちょっと古典的な流れに。体力勝負で男子に負ける女子の挫折。そしてそのあと、嫌味ったらしい就職先に啖呵を切ってしまいます。女らしい? 女のくせに? 女、女、女……だからなに!
ここの構成がうまくて、にーにーのやらかした社長息子を殴る行為をなぞっていると思えるのです。暢子は女らしさからはみ出してしまう。それが自分らしさでもある。そうやってはみ出すところをどうしたらいいかわからない!
兄と性格がそっくりなだけに、男女の対比が見えてきます。にーにーのだらしなさやでっかいことをしてやるといいつつふらふらしていることは、なんとなく許容されていますが。暢子はそうならないと見えてきている。女の人生は男より選択肢が狭い。はみ出すにせよ、形がちがってきてしまう。それをどうするのか? そういう話も見えてくる。
そんな暢子に、母の優子は自分の若い時のようだったと優しく語りかけます。優子は優しい。お母ちゃんがそんなだったなんて! そう暢子は驚いています。どうなんでしょうね。でも、たとえそうだとしても、良妻賢母の枠にはめこまれればこうなるということかもしれない。
母と兄との対比を通して、暢子という個性が見えてきます。

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