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『ちむどんどん』第12回 それぞれの青春

1971年、沖縄返還前年。暢子のにーにーこと賢秀は、妹の就職先社長の息子を殴ってしまい……。

暢子、昭和の女子就職は辛いよ

にーにーはダメなやつなので謝罪せず、代わりに暢子本人が行きます。で、なんとか謝罪して給湯室配属に。お茶汲み雑用よ。
昭和女性の辛い就職事情がわかりますな。そもそも働き口が少ない。ゆえに良子はなんとか短大を出て、確かな教員になったのでしょう。今教員不足が叫ばれていますが、そういう時代と比較して相対的に魅力が薄れたのはあるんでしょうね。

そういう女性ならではの厳しさを知っている妹からすれば、どんだけにーにーは腹立たしいことか。朝から上半身裸になっておりますが、サービスすればいいってもんじゃないぞ!

良子、マドンナの悲哀

良子はいかにも昭和らしい「マドンナ」というあだ名があります。時代を感じますね。そういうマドンナが得をするかというと、そういうわけでもない。社長のドラ息子・嘉納が花束持って一方的にアプローチしてくるわ。当時はまだストーカーという概念がありません。

大学の友達と何か会合があるというのは、まさに当時らしいかいもの。良子一人だけ四年制でなく、短大で参加とのこと。哲学論議をして、沖縄をより良くしたいと話し合う集まりだそうです。かつてはこういう活動が若者らしさでした。哲学について語り合うことが青春でした。
良子はその中にいる石川が好き。手紙も彼にあてたもの。そう淡い恋心を抱いていて、ハンバーガーショップにフォークダンスなんていう青春らしい話題もあるのですが。

でも、良子は苦しい。服はほつれて繕っているし。社会人になったから好きにお金を使えるわけでもなく、家に入れねばならないし。マドンナと言われたところで、楽なわけでもないのです。
白いブラウスに紺色のスカート。そんなシンプルな服装でも際立つ美貌。川口春奈さんはまさしくマドンナなのだけれど。

歌子、熱血教師に出会う

歌子は音楽室でピアノを弾こうとするも、他の生徒が来て譲ってしまいます。シャイで口もきけないよう歌子ですが、心を開いてくれそうな熱血教師・下地とすれちがいます。これはきっと何かあるな!

青春は楽じゃないさ

青春は終わってしまう。社会人となって第二章が始まるとちむどんどんしていたのに、そうでもないのか。朝からそうぼやく暢子。
確かに現実は厳しい! そう言いたくもなりますが、記憶を改竄している気もします。
子ども時代は何も考えないで食べて遊ぶだけというけれども、そうだったっけ? 父が倒れ、母は過労気味で。そもそも暢子はそういう家庭だからずーっと家事担当をしていて、そう楽ではなかったはず。
体操着やズックもなかったし。そんなに能天気でもなかったような?
でもまあ、本人がそう言っていますし。こういうことを南の島の陽気さだなんて言わない。知っている範囲が狭いからかもしれないし、何か認識できていないか美化しているだけかもしれない。
過剰な昭和美化って、ノスタルジーが入ってない? そう思いつつ見ることで、楽しみ方が広がる気がします。

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