『虎に翼』第33回 既婚というステータスシンボル
三国条約が結ばれたとラジオが告げ、新聞の見出しが大きく映し出されます。道ゆく子どもまで行進じみた歩き方をしているのでした。寅子の服装はさほど変わらないようで、通行人はモンペと国民服の割合が高まっています。
はて? 女の幸せとは?
花江の実家ではたらいていた稲があいさつに来ていました。時勢がら、田舎に戻るのだとか。花江が台所に立った隙に、稲は寅子が弁護士になったことを聞いてきます。褒めるどころか、稲は「全ては手に入らない」と言います。今抱えているものが女の幸せより大事なものなのかどうか、一度振り返ってみたらどうかと続けます。頭を下げ、「お許しを」とはいうものの、寅子は否定できません。依頼人に断られ続けることが翌年秋まで続いたのでした。
昭和16年(1941年)9月――善良そうな婦人にまで男性がよいと断られてしまう寅子。女のために弁護士になった。男だ女だと言わず助けたいと願った。ところがそんな寅子の助けは必要とされない。それは女だから。
寅子は雲野に、自分はそんなに頼りないのかと語りかけます。するとこうだ。
「まあ、結婚前のご婦人に頼みたいのは、弁護よりお酌だろうな」
これを聞いた瞬間、寅子でなくよねの方が怒りに燃えています。雲野はそのうち機会はある、優秀だとフォローを入れますが、寅子はこう核心をついてきます。
「行き遅れた私には、信頼がないと?」
雲野は苦笑いしつつ否定するも、寅子には通じそうにない。いねがツカツカと雲野に詰め寄るかと思ったら、椅子を引いて座りました。といってもよねは怒っておりまして。
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