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『舞いあがれ』第30回 夢を叶えたくて

 このドラマの本質は見えてきました。

パイロットになりたいからやめまぁす!

 なんなんだろう。ここ数年の朝ドラヒロインでもぶっちぎった最低最悪のやらかしは。一行でまとめたらこうなる。

パイロットできるからサークル入ってたけど、裏方とかやってられないんでやめます♪

 不義理にもほどがある。
 そこで堂々と、理路整然と理由を語るならまだしも、モニョモニョと不明瞭な鼻声でパイロットになりたい云々言い出す。勉強するとか。バイトするとか。そんな状況は何も以前と変わってませんよね。高いロードバイク買ったせいでバイト代はそこに注ぎ込まなければいけなかったわけだし。

 いろいろ言い訳していますけど、サークルの姫としてチヤホヤされないのがつまんないからやめます♪……と見えますよね。なんかアリバイじみたこと言っているけど。
 このドラマはジェンダーに切り込んだのは序盤だけ。舞ならフライトアテンダントにして嫁にいけとは誰も言わない。優しい世界。サークルの先輩も流石にちょっとは文句言うけど、すぐ引っ込めましたもんね。

とってつけたような幼馴染の描写

 このドラマは近年の朝ドラでも幼馴染描写が下手くそ。『スカーレット』。『おかえりモネ』。このあたりと比べるとな。
 久留美の描写は、いちいち大仰なうえに演出が古臭くて、自治体政策のビデオかなんかと思いましたよ。

 たかしくんだっけ。あれもよくわからない。書店主が半紙にセール告知書きましたけど、あの人は書道しているわけですか? その割に下手くそですが。ああいうのは年代的に印刷。紙にペンで書く。毛筆使うにせよ半紙には書かないでしょう。変人演出と昭和レトロ狙いが滑っていて、みていてただただ痛々しい。

 たかしの詩への欲求も、前作『ちむどんどん』の中原中也と比べたらなあ。浪速大学のなにわバードマンのスワン号。こういうネーミングセンスでよく詩を扱う気になりましたよね。チャレンジ精神はえらいわ。
 挑めばいいってもんじゃないけどね。

 舞のぶりっこしていて、周りが気遣う前提で生きている舐め腐った根性が嫌いです。
 なぜ舞はこうも気遣われるのか? ドラマなのでそこはやらないけど、こういうほんわか無自覚根性腐敗人間は、親ガチャあたりだったりするんじゃないですか。
 そういう世間の忖度を自分の愛されキャラだと勘違いした。痛々しい話よ。

 改めてビジュアルからしてセンスがない。よくわからん白いドレスに半笑いで髪の毛なびかせたヒロイン。とってつけたように飛ぶ紙飛行機。どうしてパイロットの制服を使わないの? 半笑いゆるふわ美人でないと萌えない人向けかな?

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