『ちむどんどん』第44回 豚でだしをとったおでん
比嘉暢子のイタリア料理の修行は、一旦停止しまして。おでん屋再建に挑みます。そしてついに原点回帰だ!
てびちの入った美味しいおでん
暢子の解決策はシンプルといえばそう。
・出汁をしっかりとる
・でも一工夫して、豚でとる!
・お客さんのニーズ、天候を考えた味付けをする
でも、こういう基礎が大事だと学ばせるのが今週の課題なので、いいんじゃないかな。
スポ根漫画や武侠ものでもありそうだ。
「親の仇討ちをする! 少林寺のすごい技を教えてください!」
「基礎から学べ」
「なんでですか! 強いあの技を教えて……ぐあっ!」
師父にこう吹っ飛ばされ、まずは坐禅から入るやつよ。
イタリア料理もそうだとさとり、イタリア料理の工夫として焦げたハチミツを隠し味に入れると。これはちゃんとおいしそうだし、和食ではない。焦げたハチミツと醤油の対比で、どちらがイタリア料理として食べたいかわかる。これはうまいと思えましたね。
そんなメインプロットの中で、房子のことも見えてくる。妹を思い出しながら屋台でおでんを食べることで、彼女も初心にかえっているのかも。
沖縄の味をおでんに
しかも、おでんの隠し味には豚の出汁を使う。これって現代ならばなんとも思わないけれども、幕末まで養豚すらしていない和人の食文化からすれば、一工夫ではあるのですね。といっても、おでんには明治以降のアレンジがあって当然、そういうことを踏まえるとこれはあり。おでんの足てびちも美味しそうだと思った!
実は食文化って、どこでも近代以降のものが定番扱いされるんだって。豚カツ、すき焼き、カレーライス。日本もそうだし、どこの国でもそういう傾向はあると。
アイヌ料理を厳密に和人の影響がないものにしろとゴネる差別的なアカウントを見ていて思ったのですが、そういうことはやめましょうね。正しくないんですよ。
「ドイツ料理にジャガイモはおかしい! ジャガイモはもともとドイツにない!」
そう言い出したら「黙ってろ」で終わりじゃないですか。食文化は難しいですね。
暢子と賢秀
このドラマはきょうだいでも、賢秀と暢子を対比させているのか。どちらも失敗の規模や着地点はちがうけれど、原点回帰は同じです。賢秀は結局養豚に戻るのさ。
「女のくせに!」
こういうことを言いだす賢秀。本当にダメな奴だなぁ。豚と向き合うことで無心に戻るといいさ。
兄は養豚に向き合う。妹は豚の味に向き合う。いいじゃない!
良子の妥協点と、歌子の新地点……
良子と歌子もペアかも。
良子が曖昧な、先延ばしにするような解決をして離婚回避をする一方。歌子はまともそうな花城と接近。ついたり、はなれたり。そんな姉妹が見られそうです。
あと優子は子供たち全員に甘い。賢秀の紅茶豆腐を買うのは言うまでもないけど。あのくらいの理由で離婚を言い出す良子にも甘いし。歌子の看病も優しいし。暢子も気遣っていますね。いいお母さんじゃないですか。
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