『ちむどんどん』第99回 矢作でなければダメなんだ
ちむどんどん開店前夜、暢子は妊娠しました。オーナーのあげた開店条件「信頼できる料理人を見つけること」はどうなるのでしょうか。
矢作の落魄
矢作は食い逃げをするくらいまで落ちぶれ、調理人ですらない。独立半年で潰れ、借金取りに追われ、女房も逃げられたと。
そんな矢作に暢子は、料理人を任せたいと言います。そして妊娠と独立のこと、オーナーの条件まで伝えます。
暢子って、お勉強できるタイプではないけれど、ちゃんと言われたことを覚えてスラスラ伝えられる。そういう聡明さがありますね。
でも、矢作はプライドの高い男。独立にも暢子たちへの対抗心もあっただろうし、断ります。とはいえ、矢作って妊娠している暢子を気遣うし、ちゃんとお礼も言えるし、謝れるし、根っこがちゃんとしているんですよね。
こいつは面白すぎる。井之脇海さんはただのイケメンより、癖のある方が生きてくる。いいなぁ。
ゆいまーるで解決
良子の空回りしそうな給食地産地消計画は、おばぁと共同商店ネットワークが解決に向かいそう。良子はご存知の通り不器用ですが、共同商店でおしゃべりするおばぁネットワークも駆使してうまくいきそう。
良子のこのパートは、良子はあくまで狂言回しで。安室はじめおばぁのゆいまーるを描きたいんじゃないかと思います。あったかい。こうして沖縄ことばで、お団子頭のおばぁたちが、ゆったり話して世の中を回しているところ。そういうのを描くことに朝ドラの意義を感じます。
『おかえりモネ』の東北もそういうあたたかみがありました。
歌子はちゅらかーぎー
智は歌子プロデュース計画をしておりまして。そこは朝ドラ15分で、おまけに他のパートもあるから、ささっと。昭和らしいスナックらしき店で、歌子を歌わせる計画を立てます。
ちゅらかーぎーかとオーナーにとわれ「ちゅらかーぎー!」と即答する智よ。ギャラは出せないと相手がいえば、自腹を切って、それで何もかもお膳立てする。
強引と言えばそうだけど、歌子くらい引っ込み思案で内向的なら、このくらいしないとさ。
智と歌子は相性ぴったり。智も、暢子みたいにぐいぐい進むよりも、歌子みたいにひっぱりあげてプロテュースする方が向いてますよ。暢子は和彦がぴったりだ。
智はもう歌子に惚れてる。よかったよかった。確かにちゅらかーぎーだからね。智の性格って、暢子相手だとマイナスに出るけど、歌子相手だとあの厚かましさと強引さが全部プラスになる。
よかったなあ!
矢作、その愛
そしてラストに出てきた矢作の妻。これは夫をまだ愛していて、助けたいのでは? 矢作本人も妻をまだ愛しているだろうし。これを暢子が解決するのは、お人好しってことでもない。
それを達成したら大恩人暢子に、矢作夫妻はもう頭が上がらない。これは助けるしかないな! よい手です。腕前はいいし。情けは人のためならず。
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