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『らんまん』第55回 夕顔の姫は待たずにやってくる

 てえへんだ! 万さんから仲人頼まれて釣書もらったんなら、とっととなんとかしねえと! そう江戸っ子大畑夫妻は張り切るわけです。そんな夫妻の一人娘の佳代は、あっという間に失恋しておりまして。

佳代、恋敵の顔を見にいく

 佳代は仇討ちに挑むような顔つきで、白梅堂へ向かいます。お佳代ちゃん、錦絵に出てきそうな顔だよ。おきゃんな娘というより、むしろ月岡芳年の怖い系の……。
 かくして佳代が白梅堂の暖簾をくぐりますと、まつがおります。あの曲者のみえもパタパタと扇子で顔をあおいでいます。佳代はもうまつにちょっと引け目を感じちゃっているようで、饅頭を十個買います。ここで馬のいななきが聞こえると、みえが高藤様のお迎えだと寿恵子を呼びに行きます。
 白いドレス姿の寿恵子は、クララに土産にしようと練り切りを二つもらいたいといいます。見送るみえのあとをついて、佳代も追いかける。おいなんでだよ! ピアノの音色、神々しいほどの美しさ。佳代もうっとりとしてしまいます。表情豊かだねえ。まつに呼びかけられ、饅頭を受け取るまでぼーっとする佳代。ここですえがニヤリとしつつ帯に扇子を挟むわけですが、所作が綺麗ですねえ。

仏滅はいけねえや

 佳代は帰宅後、もくもくと饅頭を食べつつ、ふふふと笑っています。イチはじきに夕飯だと告げにきます。もう4個食っちまったってよ。イチはやけ食いかと聞くと、佳代はお寿恵は高藤家に入るから駄目だと思うと言います。みえから吹き込まれたか。イチはびっくり仰天。ここで義平を呼びだすと、義平は釣書は紋付を着始める。せっかちだな! とはいえ釣書を渡すにせよ、仏滅はよくねえと怖気付いてます。いったんは暦は関係ねえと言ったものの、大安まで待つんですね。

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