見出し画像

五十嵐聡美『アイヌ絵巻探訪 歴史ドラマの謎を解く』

 よい本を手に取りました。

アイヌ絵って?

 アイヌ――江戸時代の人にとっては「蝦夷」。松前藩士でもなければ、遠い存在です。それを当時の人々は異国情緒も込めて「見てみたいねえ」と思っていた。その需要に応じたものが「アイヌ絵」です。
 松前藩はアイヌを酷使していたので、あんまり表に出したくなかったようだけれども、どうにも止まらないと。

当時から変わらぬ目線とマーケティングの倫理も

 歌川国芳が美人画とアイヌを組み合わせたものが、実に日本的だなと。美人がオットセイ狩をするアイヌ絵を見ながら、「マジィ〜、オットセイ流行したらいいのに」とつぶやく。
 オットセイって、要するに精力剤だからね。美人がアイヌ絵を見てムフフ……ってやつ。美女をアイキャッチに使った精力剤広告って今も定番ですけど、当時も発想が一致するのかよと。

ここから先は

1,100字
『ゴールデンカムイ』アニメ、本誌、単行本感想をまとめました。無料分が長いので投げ銭感覚でどうぞ。武将ジャパンに掲載していました。歴史ネタでより楽しめることをめざします。

『ゴールデンカムイ』アニメ、本誌、単行本感想をまとめました。無料分が長いので投げ銭感覚でどうぞ。武将ジャパンに掲載していました。歴史ネタで…

よろしければご支援よろしくお願いします。ライターとして、あなたの力が必要です!