『ブギウギ』第72回　小夜はまあ、どうでもええか

　小夜の米兵がらみはいい加減にすっ飛ばしつつ、エノケンモデルの人との絡みをうだうだと描くようです。

なぜ、小夜と米兵が？

　これは臭いんですよねえ。
　というのも、実際にはこのあたりに、アメリカに詳しい人物としてジャニー喜多川が絡んでくるわけです。流石にそこを赤裸々に描くわけにもいかないし、テキトーに誤魔化すためにぶちこんだなんやかんやの臭いがしますが。

　それにしても、スズ子と小夜の関係性もよくわかりません。小夜はいつも滑ったズーズー弁で馬鹿げた汚いことを吐き捨てるばかり。スズ子はそれを嗜めるわけでもなく、小夜の生い立ちや目標を聞くわけでもなく、雑用係として扱っているだけ。シスターフッドから程遠い描き方です。無責任飼い主がペットが逃げた程度の興味関心しか示さない。

薄い人間関係

　このドラマの登場人物は皆そう。羽鳥だって大変な目に遭っている李香蘭のことを持ち出しもしないし、スズ子は親のこと。愛助だって社長である母のことすらろくに思い出さない。自分さえよければいいという感覚が常に滲んでいます。