『おかえりモネ』第21回 めんどくさいコンビがバスで隣あわせ

 盆休みが終わりました。「亀島かき」の箱を抱えたモネはお土産を買おうかと思い立ち、酒屋に向かいます。

亮は真実を言えない

 そこでは亮が店主に、父が来ても酒を売らないで欲しいと頼み込んでいるのでした。水でも入れて売ってくれと。水と酒の区別もつかないとは……。
「お前も大変だな」
 店主も憐んでいます。まるで『スカーレット』のダメ父と娘たちのよう。ここでモネと出会い、二人は話し始めます。三生が牡蠣を食べ、大学に結局戻ったことを話し笑い合います。亮もいればよかったけど、仕事があったなら仕方ないとモネはいう。実際には仕事ではなく、泥酔した父の世話のせいでしたが。
 亮は咄嗟に仕事ということで話を合わせます。下っ端だからパンツの買い出しまで頼まれちゃうって。
 バスが来るまで一緒に待ってくれる親切な亮です。
 モネは何か察知し、メールや電話をくれれば聞くと持ちかけます。
「やめよ。ごめん、そういうの、俺やっぱいいよ」
 そう笑い飛ばしてしまう亮。東北の人は苦労を抱え込む傾向が強いから。

 そして赤いバスが来て、モネは乗り込みます。そこにはいたのは……。
「先生」
 菅波でした。

サメトリビアを語り出す菅波とは

 最後列に並んで乗る二人。菅波はサメのぬいぐるみを持っています。モネは送ってくれた亮は幼馴染と説明すると、菅波は「何も聞いてません」と返します。モネはシャークタウンのぬいぐるみだと気づく。東京の同僚がどうこう言い出す菅波。サメの生態系に興味があるだけだと言います。
 そして聞かれてもいないのにサメ雑学を始める。自然治癒力! 四百年生きる個体もいる! だからさ、そういう本人が詳しい知識を一方的に話すのよくないですよ。相手が興味なかったら飽きるから。
 そこに気づけないんだよなぁ……。
 これは『鬼滅の刃』での義勇としのぶが好例です。あれは確か二年前と話そうとした義勇にしのぶが突っ込む。全部思ったことは話したい。それがいけなんだ、菅波!

 モネはここで牡蠣養殖業を語り出します。そして先生も食べるかと聞くと、菅波は三回食べて三回当たって以来、食べないという。いや、そういう事情はわかった。でもそこは苦笑しつつ「アレルギーあるんですよね」でいいから。そんなデータいらんから。
 そして会話が途切れると読書を始める菅波。モネもそれを受けて、気象予報士の試験本を持ち出します。と、ここで気仙沼商業高校のみなさんが乗車してきて、二人は席を詰めることに。
 菅波は受験するつもりかと言います。いや、興味があるとモネが答えると、買う本がまちがっていると言い切る菅波。医者になるなら最初は何をよんだのかとモネがいうと、『ブラック・ジャック』と返す菅波です。しかも嘘だとさ。
 そしてその本はハードルが高いという。漫画や絵本からにしろという。でも中村先生は『ブラック・ジャック』だって。感じ悪いぞ! 菅波の悪意があるのかなんだかわからんかんじがうまい。

菅波は中村先生が苦手なんだそうで

 中村先生とは? 登米を手伝うようにいってきた菅波の指導医だとか。頭が上がらず、仕方なく手伝うことになったと。一週間ごとの入れ替えでちょうどよいと言います。一緒に仕事しなくて済むと。
 モネはタイプが全然違うと納得しています。菅波は一緒にいると未熟さを思い知らされるとぐちぐち。
 それから林業ではなくなぜ気象かと聞いてきます。モネは返します。
 山のことも、木も好き。海も好き。漁業にも役立ちたい。天気は山も海もつながっている。
「ほんとうにつながってるんですよ!」
 モネもやっぱりマイペースで不思議なところがありますね。
 このあとバスを降りてから、やっと菅波は気付く。箱を持ってあげればよかった。亮とはちがいます。わかっていて無視するのではなく、何か気になることがあると見落としちゃう。
 モネは先生の方がひ弱そうだと返す。やはりキツい! 菅波が無茶苦茶なようで、モネのキツさを中和するからいいんですね。
 モネは考える。なぜ雲はできるのでしょう? なぜ風は吹くんでしょう?
 こういうことを、思ったことを言えるのだから、モネも不思議だし、二人の愛称は実は抜群です。
「そこから始めればいいんじゃないでしょうか。目の前にあるものに疑念を抱くことから……そう返す菅波はやはりモネとあう。菅波の漫画と絵本発言も、彼なりの最適解だ。足元から固めていくと言いたかったんでしょうね。
 するとここで菅波の後ろにあったドアが開いて、菅波にぶつかります。
「ふふふ。語るねえ!」
 中村先生です。菅波がもうひきつってる。確かに相性は悪そうです。

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