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『カムカムエヴリバディ』第36回 岡山と大阪の距離は200キロ超

 勇との再婚はどうする? そうギクシャクしているふたり。算太が和菓子店を再建することも決まり、そちらにるいを連れて戻ろうとする安子。しかし、るいの治療のためには家に残れと言われるのでした。
 勇はローズウッドと一緒にいる安子を見て苛立ち、飲み屋で暴れてしまったり。三角関係が続きます。

いや、この三角関係は無理あるやろ

 ローズウッドはてっきり軍属でなく、英語教室の先生になったかと思っていました。だって岡山大阪間は200キロですよ。それであんなにちょいちょい来られないかと。しかも朝鮮戦争の頃では? そうでなくても冷戦で大変な時期に、わざわざあんな英語がさして得意でもなさそうな安子とわざわざ教材作りですか? しかもおはぎについて語る実用性がないものを。
 愚かすぎやしませんか?

 何がなんでも三角関係にしたい気持ちはわかった。しかし、最低限の設定ちゅうもんがね。

勇よ……

 伸びかけ坊主頭に、アオキで買ったような、あんまりサイズがフィットしていないスーツ姿の勇。そこにいるだけで辛い。しかも立ち姿がダラっとしているんですね。もっとシャッキリ立とうよ。
 それに飲み屋の喧嘩も、腰の入っていない殴り方だった。いかにも本気でやっていないファイト。いや、朝ドラで本気乱闘する必要性はありませんけどね。

確かに育児放棄ですし

 安子が「娘のるいをひどい目にあわせそうだから」と言われる理由はわかる。交通事故のせいだけでもない。米軍クリスマスパーティでの放置はじめ、放任気味ですよね。これでよくも大事故が起こらないもんだと感じてしまう。
 『なつぞら』のとき、なつが子どもを構っていないと批判がありましたが。あれは演じる女優アンチの難癖であって、そこまで放置している感はありませんでした。『まんぷく』や本作より子どもをちゃんと見とったと思う。

 そしてるいのおでこの傷ですが。
 これもなぁ……この時期は日本中が貧しくて、今より医療技術も劣るものがあって。るいの傷がそこまで重いようには思えない。今の感覚なら一大事かもしれないけど、当時はどうでしょうね。
 なんかこのドラマ、戦争を舐めている気がする。
 だってるいより少し上の世代では、それこそ原爆乙女もいたわけですよ。そういうことを突き詰めていくと、るいのもろもろは無神経で邪悪なんじゃないかと思えますが。そこまで治療費がかかるのもなんだか嘘くさい。

 回を追うごとにプロットが空中分解するようで、わけがわかりません。藤本さんほどの人が、こんな行き当たりばったりな仕事をするものでしょうか? 手が入ったか、諸事情でもあるのか。
 安子パートは不自然な引き伸ばしすら感じます。安子はささっとすませて、二人目、三人目に重点を置きたかったのでは? それが何らかの諸事情で狂ったのでは?

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