見出し画像

『虎に翼』第39回 隣を見れば戦友がいたとわかったのに

 昭和18年(1943年)、街から男が消えていく中、寅子の仕事はどんどん増えてゆきます。よねはそんな寅子に「お前は一人じゃない」と伝えようとするものの、寅子にどこまでそれが届いているのか。

同意を取らない、だが悪意もない男たちが

 雲野の事務所に穂高がきています。穂高の口から寅子の妊娠のことが事務所に明かされています。よねは「は?」と驚いています。雲野はよねにすら話していなかったのかといい、岩居は子どもに何かあったらどうするのかと嗜めます。雲野と岩居は女性弁護士がくると決まったときから準備していたと、寅子の引き継ぎを任せるようにと言います。悪意がないどころか、善意の塊です。穂高も含め、男たちは育児に専念し、弁護士を辞める方向で話をどんどん進めていきます。
 寅子はこうなりたくなかったから、黙っていたことに彼らは気づかない。よねは寅子の心情を理解できるでしょう。そして裏切られた顔になり、驚愕しています。
「そうですか……ありがとうございます」
 そう寅子が漏らした時、よねはどう思ったのか。彼女はその場を立ち去ります。
 寅子は安堵してもいる。もう先頭に立って全てを抱えなくてもいいのかと。しかし恥じる気持ちもあるのか、よねの背中すら見られません。
 よねはずっと寅子の隣にいた。それなのに、寅子は去っていったヒャンちゃん、涼子、梅子の顔ばかりを思い出していました。

分かれてゆく道

ここから先は

5,419字

朝ドラメモ

¥300 / 月 初月無料

朝ドラについてメモ。

よろしければご支援よろしくお願いします。ライターとして、あなたの力が必要です!