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『おかえりモネ』第89回 情報を精査し、伝える使命

 2019年9月15日午後7時――台風12号が上陸します。

未来を予測するのが気象予報

 内田が深刻な状況を伝え、他のメンバーも被害状況確認に奔走中。ここで高村が宣言します。被害ニュースにばかり気を取られている。気象予報チームがすることは何? 何が起こるか判断し、被害を食い止めること。
 未来を見る。前を見る。そんなことを思い出させてくれる力強いリーダーです。
 午後10時30分には警報も解除されチームは一息つきます。とはいえ、雨のピークは越えたとはいえ油断ができませんし、気象情報は毎日届けるもの。一休みしてまた戻って来なくてはいけません。交代で休むテレビ局の忙しさが凝縮されています。

民宿を再開して、義母のようになりたい亜哉子

 休憩に入ったモネは、母に電話します。菅波を期待した方、残念でしたが。そういえば、二人が週末に会う約束は流れましたかね。亜哉子がいたわると、モネも民宿のことが残念だったと母を気遣います。
 亜哉子はここで想いを語ります。娘二人手が離れて、橋も架かって、新しい空気が流れてきた。いいことばっかりじゃないけど、私も今できることをしたいと思った。お義母さんの雅代が目標!
「今からでも、遅くないよね」
 そう思いを語ります。亜哉子さんはタフだなぁ。民宿は食事や布団のこともあり、なかなかパワーが必要な仕事です。それでもやるんだなぁ。そういう気持ちを娘に語ったと。
 このあと、龍己にお弁当を渡します。龍己は会話を聞いていました。最愛の妻、ハニーである雅代を目指すという嫁に感銘を受け、自分のことは自分でするから好きにしたらいいと励ますのです。耕治は心配のしすぎだって。
 ものすごくいい話。しかし、劇中では今、2019年です。今民宿を始めてもどうにもなりません。及川新次が2010年に船を手に入れたのと同じことが起きるかもしれない。人間は、先のことはわからないのです。あなただって、私だって、2019年はもっと明るく生きていたのではありませんか?

危険な予兆を伝えてくる電話

 朝岡はコーヒーを手にして、机の前にいます。こういう仕草だけでも決まる朝岡がやはりいい。それからディスプレイを眺め「待てよこれ……」と異変を感じています。長野の番場川流域が危険だ。危険なのは、むしろ首都圏ではなくこちらだ!
 そのころ、モネは野坂と交代していました。そこへ気象担当者と話したいという電話が回されてきます。どうしても気になって話したいことがあると。長野県丘沢町の五十嵐という高齢女性です。
 このドラマは「そのへんのおばあちゃん」の演技指導が磐石でして。雅代の竹下景子さんはじめ、リアリティがあってすごい。演じるプロは背筋がシャキッとしているものですが、それがあえてクニャッと加齢で抜けちゃった動きが自然と出ています。でもそこは演技なので、滑舌は決して悪くない。この五十嵐のおばあちゃんは超絶技巧ですよ。

・クリアではない話し方
・訛りがある
・脚本の時点で回りくどく、すっきりしないようになっている
・でも、内容はちゃんとわかる

 そんな五十嵐のおばあさんは、80年間住んでいる村で異変があると言います。ここで歳がわかるとかわいらしく照れるところがいい。モネはお元気で何よりと気遣いつつ、話を聞きます。
 裏山に小さな川がある。大雨が降ろうとさして水は流れない。そこに大量の水が流れ込むと危険で、番場川が暴れる。そういう言い伝えがある。
 そういえば、朝岡のアプリにも長野県Mがそんな情報を提供していました。
 五十嵐が「コサメちゃんの人かや!」と言い出して少しほのぼのとしますが、危険なものは危険です。
 かくして朝岡とモネは番場川の危険を察知し、高村に注意喚起を提案します。けれどもそこで「よし、やりましょう!」と言わないから高村は有能。高村だって気象のプロですし、そうコロコロ動けないし、朝岡はわけわからんところあるし……。
 一般人の情報は鵜呑みにできない。フェイクが混じっているかもしれない。そう慎重さを求めます。
 しかし、同時多発的にそんなことを言うのはない。信憑性があると朝岡。モネも、百年や二百年と伝わる言い伝えはそこに住む人を守るためのものだと言います。
 高村も折れつつ、信憑性のあるデータを求めてきます。朝岡はチームに一人戻すように依頼するのでした。

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