『らんまん』第33回 “同志”との出会い
思えば竹雄を残してきた万太郎。彼は新しい誰かと出会うのでしょう。寿恵子が夢中で読んでいた『八犬伝』は、信乃と現八が出会う芳流閣の場面。英雄が英雄と出会う場面が訪れるようです。
君の「便宜」とは何かね?
田邊に誰かと聞かれ、万太郎は名乗り、野田の紹介状を渡します。それに目を通した田邊は「便宜」を図るというその中身を聞いてきます。これは田邊らしいところで、万太郎のコネとか、藩閥とか、そういうことでなく志を見たいのでしょう。
万太郎はどもりながらも、どこから話したらよいか困惑します。そして土佐の植物標本を出し、それを見せればわかると言い出します。理解されたいのかと田邊が聞き返すと、徳永助教授は時間の無駄だと切り上げようとします。徳永からすれば、万太郎は得体のしれん「雑草」でしょうからね。それでも万太郎が引き下がろうとすると、大窪は押し売りはやめたまえと言い出します。先日の、親が押し売りに困っているという話はこの伏線でしたか。
万太郎は珍しいものだから、田邊に見せたいと言います。珍しいと判断したのは誰かと徳永が言うと、万太郎は自分が判断したと言い切ります。徳永は師匠は誰かと言い出す。名もしれない若造だろうと、誰かの弟子なら聞くと。このあたりに徳永の持ついやらしさが見えてきます。
万太郎はここで、洗いざらい語ります。佐川の蘭光先生に、去年一度、野田と里中に習ったと。
「去年一度?」
この徳永と大窪のむかつく口調がなあ。冴えてるなあ!
さらに、佐川に12歳まで習って、小学校中退とわかると、失笑の空気が流れ、東大生たちが小馬鹿にしだします。すごく嫌な感じではあるけれども、これってかつてのフィクションの定番ではあったんですよね。経験ゼロのすごい奴が主人公で、最初はバカにされる。
小学校中退ということで、よってたかってバカにされ、学歴マウントをされる万太郎。
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