『ちむどんどん』第91回 汝の立つ処深く掘れ、そこに必ず泉あり

 いろいろあって、暢子と和彦の結婚です。

汝の立つ処深く掘れ、そこに必ず泉あり

 なんだか反省会で突っ込まれていた服装ですが、みなさん着替えまして。そりゃそうだわな。本作のテーマが房子のスピーチにありました。

汝の立つ処深く掘れ、そこに必ず泉あり。

 これは沖縄という出身地を深く掘り進めというテーマにつながると思うんですね。今回ラストの暢子の決意はその答えだと思います。

 それにしても、素晴らしい「伏線回収」でした。イタリアで泉といえば「トレビの泉」あたりかと思ったら、ニーチェでしたか。
 これが本作のよいところであり、悪いところかもしれない。中原中也の詩もバンバン引用していましたが、こういう小難しいことをするとムカつく人はいますからね。

 自分の知っている範囲外の話をされるとムカつく人っているもんだ。本作低迷の要因はそこでしょう。自分の人生経験値で対応できないことをやらかされるとキレる。加齢と共に人間そうなりますよね。若いころは「経験不足です」「知りませんでした」と言ってもいい。でも、歳をとるにつれそうでもなくなる。ゆえにマウンティングが聞かなくなって、若いもんに忖度を求めるようになるんだ。

沖縄料理、沖縄民謡、そして琉装

 この披露宴は良かった。抜群よかった。朝ドラのお約束のようで、その中でも印象がちがう。沖縄料理の数々もよかった。暢子がどうしてそれにしたか、どんな状況で食べたかコメントするからより一層いい。
 歌子の可憐な沖縄民謡も素敵。

 そして琉装。暢子はわりと健康的な顔色なのだけれども、その良さが一番生きてくるのが琉装なのだと思えました。今までで一番綺麗で、素晴らしくて。和装でも洋装でもない魅力が全開で。こんなに美しいのかとまさしく見惚れました。
 美しい!

で、賢秀は?

 そんな結婚式にいなかった賢秀ですが、豚の出産を見届け、清恵ともたれかかってソファで寝ております。名前の通り寛大な寛大は、そんなふたりにそっと毛布をかけるのでした。
 こういうギャーギャーうるさい女房と、ダメな亭主って、昭和ぽくてありだと思います。さんざんバカな失敗をして、受け止める賢秀。お釈迦様の掌にいた孫悟空みたいなもんだ。幸せにな!

で、歌子なんだけど

 智はスピーチまでふられて気の毒といえばそうだけど、さんざん暢子と結婚するとフライング発表して鶴見周辺を騒がせたわけで。このくらいして締めないといけませんね。
 そういう場を作った歌子に感謝だな! 歌子でどうなんだよ。ドラマで誰がくっつけばいいとかあんまり関心ないほうだけど、歌子は別格だ。賢いし、素晴らしいし、智の理想が目の前にいるんだよ! もう、歌子しかない。

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